【株式会社NearMe】スタートアップの伴走者としてWeb広告運用・戦略を支援。新規利用者数は前年比3倍までに拡大
今回は空港送迎サービス「NearMe(ニアミー)」を提供する株式会社NearMe様の、Web広告運用・戦略支援の成功事例をご紹介します。新規顧客獲得を目指し、空港に行くニーズを持つ人をターゲットにWeb広告で訴求。ユーザーのエリアにあわせた広告文の自動生成や、エリアからの所要時間、費用を比較したクリエイティブのピンポイント配信など、ユーザーが自分ごと化しやすいWeb広告を配信することで、新規利用者数は前年比3倍までに拡大しました。
空港⇔自宅・ホテルの送迎をシェアしておトクに!NearMe(ニアミー)とは
コロナ禍が一段落し、国内・海外の旅行需要が高まっています。一方で、海外からの訪日外国人旅行者数も増加し、空港送迎が逼迫するという実情もあります。
こうした中で新しい空港送迎サービスとして注目されているのが「NearMe(ニアミー)」です。NearMeは、複数の乗客で大型車両をシェアすることで、タクシーよりもコストを抑えて自宅/ホテルと空港間を移動できるのが特徴です。
サービスを提供する株式会社NearMeは2017年に創業し、シェアする車両サービスを電車、バス、タクシーに次ぐ「第4の公共交通機関」とすることを目指しています。 同社では、新規顧客獲得を目的に広告を出稿しており、運用・分析、バナー・LPなどのクリエイティブ制作まで一気通貫でLifunextが担当しています。プロジェクトには、プロジェクトマネージャー、広告コンサルタント、データ分析が各1名、クリエイティブ、戦略コンサルタントが各2名アサインされており、チーム一丸となって取り組んでいます。
スタートアップの伴走者であるLifunextに依頼
Lifunextに広告運用の依頼があったのは2020年1月。
Lifunextは、これからマーケティング施策を強化していくスタートアップやベンチャー企業の伴走者としての支援を強みとしており、NearMeのステージが一致したことから支援をすることになりました。支援開始当初はスモールスタートでご発注金額も約100万円/月程度でしたが、現在は最大数千万円規模にまで成長しております。
実は2023年3月より一部領域のみ切り出して、別代理店と並走して広告配信を行っていた時期もありました。しかし、日々のコミュニケーションの内容や頻度、常にお客様目線で物事の判断を行う真摯な姿勢が再評価され、2023年7月に再度Lifunextに集約いただきました。
Lifunextが行ったリスティング広告運用ポイント
NearMeは、リピート利用客が多いサービスです。そのため、広告では、新規顧客獲得を目的に配信しています。予約件数の最大化を狙い、常に施策や検証が動いている状況です。以下でいくつか過去実施したお取組みをご紹介いたします。
空港へ行くニーズを捉えたキーワード戦略
「NearMe 空港送迎」などの指名検索キーワードだけでなく、空港に行きたいというニーズを踏まえて「羽田空港 行き方」「成田空港 タクシー」などの一般キーワードへの出稿も行い、広く接触できるようにしています。なお、一般キーワードのなかでも目的空港によって、検索クエリの傾向差があるため、それを加味して細かなチューニングを行っております。これらのキーワード戦略の取り組みを踏まえ、以下の施策に落とし込んでいきました。
広告カスタマイザを用いロケーションに合わせて出稿
空港に「どこから」向かうか(≒空港から「どこへ」向かうのか)という点も重要な観点です。検索キーワードやユーザーの位置情報に合わせて、広告文に目的地域名が動的に表示されるように、キーワードインサーションを活用しております。
例えば、「”地域名”から羽田空港に行くならNearMe」のように、広告文にユーザーの地域を自動的に入れることで自分ごと化するので、ユーザーの目に止まりやすくなり、該当キーワードのCTRは1.5~2倍まで改善しました。
外国人観光客を狙った英語でのリスティング広告
また、高まるインバウンド需要を受けて、外国人観光客向けに英語でのリスティング広告を実施しています。外国人観光客向けの英語キーワードは競合プレイヤーが少ないため、オークションプレッシャーが低く、比較的安価に出稿できます。本施策はコロナ禍前からスモールスタートで出稿して検証を行っていて、現在に至るまで定常的に配信しています。
コロナ禍が明けて大きな成果に
ご支援開始時期は、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた時期だったため、少額でリスクヘッジをしつつ、キーワードのポテンシャルを見極めていました。スタートアップ企業の場合、何が効果的なのか手探りで探すしかないため、リスティング広告以外にも様々な広告を少額で検証しPDCAを回しながら最適な手法の取捨選択を行いました。その結果、2022年3月期と比較して、2023年のCV数は最大3倍まで増加しています。
この施策は基本施策として初期から現在に至るまで継続して運用しています。
よりきめ細かな運用で、スタートアップの課題に寄り添う日々の運用ポイント
旅行需要が高まり、サービスの利用者が急増する中で、新たな課題やユーザーのニーズが見えてきました。スタートアップのサービスでは成長に伴い、課題やニーズの変化があります。Lifunextでは細かくヒアリングをしながら、運用方式を柔軟に調整していて、必要に応じてベストプラクティス(≒一般論)とされている運用手法から外れたご提案をさせていただくケースもあります。
ハイヤーの需要増加にあわせて出稿量を調整
NearMeが提供する送迎車は、提携するタクシー会社が保有している車両であり、NearMeに予約が入ると、車両に空きがあればタクシー会社が送迎するというビジネスモデルになっています。
そのため、提携先のタクシー会社の車両に空車がない場合は、予約が入ってもサービスを提供できないケースが発生します。その状況下で予約をした場合、ユーザーにとってはせっかく予約をしたのにサービスを利用できないというマイナスのユーザー体験になってしまい、以降サービスの利用を避けたり、悪評につながったりするリスクがあります。
そこで、LifunextではNearMe担当者と日々最新の情報を密に連携し、車両の空き状況や予約数にあわせて広告での集客を抑える調整を行っています。
利用確度の高いエリアを分析し、集中的に出稿する
NearMeは、エリアによって価格変動があります。東京23区内でも、恵比寿から羽田空港に行く場合、蒲田から羽田空港に行く場合では、利用料金が異なるため、利用確度にも影響しています。
その他電車やタクシーでの移動時間なども鑑み、どの地域の利用確度が特に高いのかを、過去のCTRやCVRといった基本的な指標に加え、サービス利用地点からの各移動手段の所要時間や想定金額を加味し分析を行い、勝ち筋の高そうなエリアを抽出しました。
さらに選定したエリアからの交通機関ごとの所要時間、料金を入れたパーソナライズしたクリエイティブを用意し、対象エリアのユーザーへ配信を行うことでベースアップに成功しました。
他の移動手段からのリプレイスを促す
空港送迎の主な移動手段として、電車、タクシー、バス、自家用車があります。その中でもタクシー利用者層は本サービスと親和性が高く、リプレイスを図りやすい移動手段であるため、NearMeの優位性をわかりやすく伝えつつ利用意向を高めるようなコミュニケーション戦略をひいたことでベースアップに成功しました。
空港送迎の新しい選択肢というこれまでにない価値を提供するため、ユーザーがその価値を認知しやすいように従来の手段と比較するという表現を行いました。
ただし、空港までの移動手段としてタクシーのシェアは全体で3%程度なので、今後はよりシェアが大きいバスや電車、自家用車との比較を訴求して、リプレイスを狙っていきたいと考えています。
直近ではバス利用者に対して、リスティング広告に加え、ディスプレイ広告で、「バスは遅延する」というペインポイントを訴求して、バスからのリプレイスが促進できるか効果検証をしていました。
2022年比200〜250%の新規顧客を安定して獲得
NearMeは、利用者数50万人を超えるサービスへと成長しています。KPIである新規利用者獲得数でみると、2022年比200〜250%を安定して獲得できています。
CPAについても獲得数を落とさず、CPAを前年と同程度まで抑えることができています。
運用開始当初は、コロナ禍で外出制限があり、さらに海外からの渡航者も大幅に減少する逆境の時期でした。その厳しい時期を検証期間として共に乗り越え、コロナ禍が落ち着いた時には検証成果を活かして出稿量を増やし、着実に新規顧客獲得に貢献できました。
これからやっていきたい取り組み
新規顧客獲得の目標値は、プロジェクトを開始した、新型コロナウイルス感染拡大以前と比べて10倍以上になっています。新規獲得のためのリスティング広告、ディスプレイ広告は今後も継続して取り組んでいきます。さらにこれからの支援として、広告運用に加えて戦略コンサルティングもご提案しております。
Lifunextの戦略コンサルティングでは、お客様の事業課題に対するアプローチをご提案可能です。広告に閉じず、より広いコミュニケーションチャネルの設計、効果検証のスキームまでトータルコーディネイトができます。
利用者の理解を深めて、より適切なコミュニケーションを実施
現在の利用者は、空港利用の1−2日前など直前の予約が多くなっています。ただし、できれば旅行を決めた段階で一緒に事前予約をしてほしいという事業上の課題があります。空港移動=NearMeという意識改革を起こすために、空港利用数ヶ月前にNearMeの予約をしている人の属性、行動、意識などを理解するためのユーザー調査を実施し、その傾向値をもとにセグメントの選定等に活かしております。
さらに利用頻度が高いユーザーについても調査対象とし、NearMeヘビーユーザーの解像度を高めていきたいと考えています。
また、現在では一人での利用が多いという課題があり、今後複数人で利用する人を増やし、1回の送迎あたりの単価を向上させていく方針です。この課題に対しても打ち手を提案していく予定です。
担当者のコメント
株式会社Lifunext コンサルタント 今坂 衛
Lifunextのプロジェクトマネージャーである今坂は次のようにコメントしています。
「担当者として、NearMeというサービスが好きですし、空港移動に便利なサービスだと感じています。まだ世間での認知度は高くありませんが、お取り組みを通してこのすばらしいサービスが認知されて、より普及していくフェーズに伴走できていることを誇りに思います。
現在は、羽田空港、成田空港への送迎に重点を置いた施策を実施していますが、成果が出ているので、この勢いでまずは日本全国にサービスを拡大できるように、そのお手伝いをしていきたいです。将来的にはDiDi、Uber、Grabのように、グローバルに渡り合えるようなサービスになると期待しています。
僕以外の広告コンサルタントメンバーはデジタル以外の情報収集もしているので、戦略コンサルティングにおいてもワンチームで精度の高い提案ができると自信を持っています」
NearMeご担当者の佐藤様からは次のようなコメントを頂きました。
株式会社NearMe 佐藤ジュニア様
「Lifunextは、サービスの黎明期から共に寄り添い伴走してくれています。常に我々のサービスの成長を第一に考えるクライアントファーストの姿勢、目先の成果に溺れず、新規顧客獲得という目的を失わない誠実さ、中長期的な視点から捉えた的確なタイミングでの提案など、信頼できるパートナーとしてこれからも頼りにしています。スタートアップ企業で一緒に事業をグロースしていくなら、Lifunextをおすすめします。」
「シェアによって、お得でスムーズ」な移動体験を提供するシャトルサービス「NearMe / ニアミー」を提供
2015年株式会社セプテーニに入社後、SEMを中心に運用コンサルタントとして従事。Webクライアントで1億/月超の大型顧客をメインで担当し、社内MVPも獲得経験もあり。その後、フリーランスとなり大手総合代理店にてナショナルクライアントのチームのSVを経験。横串での品質管理はもちろん、現場のデジタル知識レベルの引き上げ、業務効率の改善にも貢献。経験業種はエンタメ、通信、教育、ゲーム、金融…等、運用者としても幅広い知見を持ち合わせている。