Google広告のカスタムセグメントとは?設定方法や注意点も紹介
当記事ではGoogle広告におけるカスタムセグメントの概要と設定方法を紹介します。Google広告の配信はターゲティングを適切におこなわなければ予算がかさむだけで効果を見込めません。注意点を把握して広告運用を行いましょう。
近年、Webにおける集客の重要性が高まり、業界業種問わずGoogle広告を検討する企業が増えています。Google広告は自社ビジネスのPRや販売促進、認知度向上など様々なものに効果が期待できるため、自社でプロジェクトチームを立ち上げたり外部の広告代理店に依頼する企業が多く見られます。
しかし、Google広告を設定するには明確なターゲティングが不可欠です。今回は、Google広告におけるターゲティング方法の「カスタムセグメント」について、設定方法や注意点を解説します。
Google広告のカスタムセグメントとは
カスタムセグメントは、様々なサービスや商品に対して購買意欲が高い、興味関心が高いといったユーザーに対してピンポイントで広告を配信する設定です。ここではカスタムセグメントを利用できる具体的な条件を紹介します。
カスタムセグメントを利用できるキャンペーン
カスタムセグメントを適用できるキャンペーンは下記3つがあります。
- ディスプレイキャンペーン
- 動画キャンペーン
- ファインドキャンペーン
それぞれの特徴を下記でまとめています。
項目 | キャンペーン内容 |
---|---|
ディスプレイキャンペーン | Googleの保有もしくは提携しているコンテンツに広告配信できる |
動画キャンペーン | Google動画パートナーのコンテンツに広告配信できる動画広告 |
ファインドキャンペーン | Googleが運営するコンテンツに広告配信できる |
利用できるキャンペーンはGoogleが関連するコンテンツはもちろん、GoogleのGmailにある「プロモーション」「ソーシャルタブ」などでも利用可能です。そのため、普段動画やWebサイトを閲覧しない、仕事でメールを確認する程度にしか広告を見ない層にもアプローチを行えます。
カスタムセグメントで何ができるの?
カスタムセグメントでは、ターゲットを「キーワード」「URL」「アプリ」といった3つの観点から絞り込みます。
具体的な例として「ダイエット」を挙げてみましょう。ダイエットのテーマで広告配信ユーザーをターゲティングすると、下記のような絞り込みが行えます。
項目 | ターゲティングの項目 | 対象ユーザー |
---|---|---|
キーワード | ダイエット 簡単 ダイエット お金をかけない ダイエット 方法 | ダイエットの方法や具体的な行動に興味があるユーザー |
URL | パーソナルジムのURL インフルエンサーのURL プロテインメーカーのURL | ダイエットに関して設定したURLと似たURLを閲覧したユーザー |
アプリ | ダイエットチェッカーアプリ 体重管理アプリ ヘルスケア用のアプリ | 左記のアプリに似ているものを使用したユーザー |
カスタムセグメントの設定項目
ここではカスタムセグメントの設定項目を3つ紹介します。設定する項目としては先述した3つです。それぞれ強みが異なるため、理解した上で設定を行いましょう。
キーワード
キーワードはターゲットの興味や関心があるもの、もしくは行動を把握できる特徴があります。例えば、テニスを習い始めたい人が「テニス 関東」「テニス スクール」などと検索したものを元に、広告の配信が可能です。
キーワードはターゲットが実際に入力するもののため、ダイレクトなニーズを反映できるでしょう。キーワードを設定する際は自社でターゲットが関心を持っているキーワードをリサーチしたり、これまでの顧客行動を元にイメージした上で設定すると、ピンポイントでの訴求が叶います。
URL
URLはターゲットが以前検索したURLと似通ったWebサイトを訪れたユーザーに対し、広告を配信します。カスタムセグメントの設定においては具体的なURLを設定し、似ている業種やカテゴリなどのWebサイトを閲覧しているユーザーに広告を配信します。
なお、入力したURLのサイトに直接配信するのではなく「類似するサイト」に反映される点に注意しましょう。
アプリ
アプリはターゲット層が利用する具体的なアプリの名前を入力し、設定を行います。入力したアプリと似ているサービスを利用するユーザーに広告が表示されます。
なお、設定画面ではアプリ名の一部を入力するだけでもリストアップされるため、具体的なアプリ名がわからない時も活用可能です。さらに、サジェストからよりピンポイントで訴求できるアプリを選択することもできるでしょう。
近年はネットで検索するだけでなく、アプリをダイレクトに利用するユーザーも多く見られます。そのため、Web上での効果が見られない場合、アプリでのアプローチに変更するのも良いでしょう。
なお アプリをカスタムセグメントに設定する場合、概要のみで判断するのは尚早です。実際にアプリの内容を体感し 把握してから設定がおすすめです。 アプリの場合 、操作性の高さやターゲットが自身にマッチしてるか をWebサイトよりもより重視される傾向があるため、ターゲットのニーズとアプリの使用感を照らし合わせた上で、適したものを設定しましょう。
広告管理画面からカスタムセグメントを設定する方法
ここからはカスタムセグメントの具体的な設定方法を紹介します。はじめに、Googleの広告管理画面から行うカスタムセグメントの設定方法は下記の手順で進めます。
- 広告管理画面から「ツールと設定」を選択し「オーディエンスマネージャー」を選択。
- カスタムセグメントを選択し青い追加のマークを選択
- 3つの項目から1つ以上を設定し保存(下記画像参照)
設定する項目はやみくもに決めるのではなく、狙いたいターゲットの属性や傾向を把握した上で適切に設定しましょう。この際、設定前の分析が難しい場合は代理店を始めとした専門家への依頼もおすすめです。
オーディエンスマネージャーからカスタムセグメントを設定する方法
オーディエンスマネージャーからカスタムセグメントを設定する方法は、下記の流れで進めます。
1.Google広告のオーディエンスマネージャーを開く
2.オーディエンスの青い追加のマークを選択
3.「+新しいセグメント」を選択
4.カスタムセグメントの具体的な条件を加える
5.除外したいオーディエンスセグメントや属性を設定する
6.保存をクリックして完了
カスタムセグメントを作成できない条件
カスタムセグメントは作成後に審査が行われます。下記5つの条件に当てはまる場合、カスタムセグメントの使用が不可能なため注意しましょう。
- 法律上の制限
- 個人的な苦難
- アイデンティティや信念
- 性的な関心
- 機会へのアクセス
いずれもユーザーにとって不利益を被る可能性のあるトピックのため、広告配信そのものを利用できません。広告を配信する場合はこちらの条件に該当しないか確認の上、設定しましょう。
カスタムセグメントのカテゴリ
かつてGoogleで広告においてターゲティングに関する手法として「カスタムインテント」「カスタムアフィニティ」というものが設けられていました。しかし、2020年からは現在のカスタムセグメントにすべてが統合され、ターゲティングがより容易に行えるようになりました。
ここではかつて利用されていたアフィニティカテゴリーとインテントカテゴリーの特徴を紹介します。
アフィニティカテゴリー
アフィニティカテゴリーは、比較的広いジャンルに興味関心を持つユーザーに対して配信を行うターゲティング方法です。例えば「本に興味がある人」といった広いターゲティングを行うため潜在顧客へのアプローチが可能でした。まだターゲットを絞り込めていない、また認知度を高めたいといった場合に効果を発揮します。
インテントカテゴリー
インテントカテゴリーはアフィニティカテゴリーと比較し、購買意欲が強いユーザーに対して広告配信を行います。例えば「電子書籍」「Kindle」など、本に興味がある人の中でも具体的なコンテンツに絞り込んで検討する人にアプローチを行います。そのため、実際のお問い合わせや購入につながりやすいメリットがあります。
カスタムセグメントへの統合によるメリット
2020年にアフィニティカテゴリーとインテントカテゴリーがカスタムセグメントに統合されたことから、広告を配信する企業としてはユーザーの管理が容易になったというメリットが見られます。
カスタムセグメント統合前までは「指定した商品や分野に関心を持っている人に対して広告を配信するのか」「購買意欲が明らかに見られる人に対して広告を配信するのか」といった、細かな設定が必要でした。しかし、統合後は業界業種問わず見込みがあるターゲットによりアプローチしやすくなったといえるでしょう。
GA4におけるカスタムセグメント
ここではGA4(Google Analytics 4)におけるカスタムセグメントの設定方法を紹介します。具体的な手法としては3つ挙げられます。
ユーザーセグメント
ユーザーセグメントは属性をもとにデータを抽出する方法です。具体的な属性としては下記が挙げられます。
- 年齢や性別
- 国や地域
- 特定のページを閲覧した
- 商品をカートに入れた購入した
ユーザーセグメントはデータの取得範囲を広く設定できるため、ターゲットの行動や考え方を広範囲で情報収集可能です。
セッションセグメント
セッションセグメントはユーザーの行動を特定して設定し、その行動を含むデータを抽出する方法です。ユーザーがどこから流入したか、どこに訪問しているかなどの具体的な行動を指定可能です。ユーザーの訪問から離脱までの流れを把握した上で施策を打てる特徴があります。
イベントセグメント
イベントセグメントはスクロールや商品購入など、ユーザーが起こしたアクションを元にデータ収集・分析を行う方法です。例えば、お問い合わせに設定するとそのデータのみを集計できるため、自社が知りたいイベントの分析がより精密に行えます。
GA4におけるカスタムセグメントの注意点
ここからはGA4におけるカスタムセグメントの注意点を3つ紹介します。カスタムセグメントは保有期間やしきい値の適用があり、初心者には扱いが難しいでしょう。もしも設定が難しいと感じた場合は、専門家への相談がおすすめです。
データの保有期間が決まっている
GA4のカスタムセグメントは保有期間が決まっています。データの保有期間は2ヶ月もしくは14ヶ月です。最長で14ヶ月以上経過するデータは検索できないため、取り扱いに注意が必要です。
もしも前年度と数値を比較したい場合や、検討期間が長い高額な商品の分析を行いたい場合は、期限内にデータのエクスポートを行いましょう。
しきい値の適用がある
GA4では「しきい値」が適用される場合があります。しきい値はデータ分析を行いレポートを作成する際、ユーザーの身元を推測できないようにする仕組みです。しきい値が適用される場合、一部のデータが除外されてしまうため情報の精度が低くなるでしょう。
初心者には扱いが難しい
GA4はより具体的な施策を打ち出す分析が行える反面、初心者には扱いが難しいデメリットも見られます。Webマーケティングに精通していない担当者の場合、設定はできたとしても具体的にデータを利活用できないといった可能性も考えられます。その場合は、広告運用を行う代理店やコンサルティング会社への相談がおすすめです。
Googleのカスタムセグメントを使いこなそう
カスタムセグメントは、自社の商品やサービスの広告を効率的に打ち出すために必要な設定です。 ターゲットを絞り込んだ上で自社が求めるユーザーにアプローチできるため、 広告費用を効率的に利用できるでしょう。
しかし、 Google 広告やカスタムセグメント設定は難しかったり、そもそもターゲティングがうまくいかない可能性もあるでしょう。その場合は自社のみで抱えるのではなく、専門家に相談しサポートを受けましょう。初期費用こそかかるものの、広告運用の効果を早めに実感できるでしょう。
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2015年株式会社セプテーニに入社後、SEMを中心に運用コンサルタントとして従事。Webクライアントで1億/月超の大型顧客をメインで担当し、社内MVPも獲得経験もあり。その後、フリーランスとなり大手総合代理店にてナショナルクライアントのチームのSVを経験。横串での品質管理はもちろん、現場のデジタル知識レベルの引き上げ、業務効率の改善にも貢献。経験業種はエンタメ、通信、教育、ゲーム、金融…等、運用者としても幅広い知見を持ち合わせている。