ECサイトでSEOが必要な理由や対策すべき項目を詳しく解説

ECサイトの利用者は、必ずしも自社商品を認知しているユーザーだけではありません。
潜在顧客や顕在顧客に商品やサービスを認知してもらうためには、SEO対策が効果的です。
しかし、適切なSEO施策を実施しないと、マイナスな効果を招くこともあります。
本記事では、ECサイトでSEOが必要な理由と具体的な対策、実施時の注意点を解説します。
ECサイトにSEO対策が必要な理由とは?
ECサイトにSEOが必要な理由は、見込み顧客や新規顧客の増加につながるためです。
自社の商品やサービスをすでに認知している見込み顧客の場合は、検索エンジンで商品名やサービス名、社名を直接検索し、ECサイトに訪れます。
一方で、まだ商品を知らない潜在顧客や顕在顧客は、自分の悩みや欲しい商品の特徴をキーワードとして検索する傾向があります。
このとき、ECサイトが検索結果の上位に表示されていれば、潜在顧客や顕在顧客がサイトを訪れる可能性が高まるため、SEOはECサイトの集客において欠かせない対策です。
ECサイトのSEO対策の項目
ECサイトでは、以下のSEO施策が求められます。
- 内部技術
- 外部対策
- コンテンツ対策
ここでは、ECサイトで重要なSEO対策の項目をそれぞれ詳しく解説します。

内部技術(テクニカルSEO)
内部技術とは、検索エンジンにWebサイトを正しく評価してもらうために、サイトの内部構造やコンテンツを最適化する対策のことです。
データベースを活用してWebサイトを構築するECサイトでは、内部技術(テクニカルSEO)を対策することが特に重要となります。
内部技術(テクニカルSEO)では主に以下のような対策で、サイト内の内部構造を最適化します。
- クロール最適化:クローラーがサイトを適切に巡回できるような環境を作る
- インデックス最適化:検索エンジンが正しくページを登録・評価できるようにする
- ページエクスペリエンス最適化:ユーザーが快適にページを閲覧できるよう、表示速度やモバイル対応を改善する
具体的な内部技術(テクニカルSEO)の対策方法については、次の章で詳しく解説します。
外部対策
SEOの外部対策とは、自社のECサイト以外の外部サイトから評価を受けることで、検索エンジンにWebサイトの価値を示す施策です。
検索エンジンは、多くの被リンクを獲得しているサイトを「ユーザーにとって有益な情報を提供している価値の高いサイト」と判断し、検索順位を向上させる傾向があります。
被リンクとは、外部サイトから自社サイトへ向けられたリンクです。
一方で、被リンクを不正に集める行為には注意が必要です。
たとえば、被リンク獲得を目的としたサイトを作成して自作自演でリンクを貼ったり、外部サイトから被リンクを購入したりすると、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。
しかし、どれほど良質なコンテンツを提供していても、外部対策は自社努力だけではコントロールしにくい施策です。
そのため、外部対策を最優先に進めるのではなく、まずは内部対策や次に紹介するコンテンツ対策に注力するほうが、SEOの効果を得やすい傾向にあります。
コンテンツ対策
コンテンツ対策とは、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することで、検索エンジンからの評価を高め、検索結果で上位表示を目指すSEO施策です。
内部技術(テクニカルSEO)や外部対策が「検索エンジンが正しく評価しやすいWebサイト作り」であるのに対し、コンテンツ対策では「ユーザーにとって価値のあるWebサイト作り」に重点を置きます。
特にECサイトの場合、商品・サービスページの最適化やレビュー・Q&Aの活用など、より購入につながるコンテンツの充実性が求められます。
ユーザーが購入を決断しやすい情報を適切に提供することで、コンバージョン向上にもつながります。
ECサイトにおける内部技術(テクニカルSEO)
ECサイトの内部技術(テクニカルSEO)では、検索エンジンに正しく評価されるための技術的な最適化を実施。
特に、以下の施策が重要です。
- モバイルフレンドリーなページ設計にする
- ページの表示速度を高める
- 検索エンジンのクローラビリティを最適化する
- 構造化データマークアップにて「商品」を設定する
ここでは、内部技術の施策について詳しく解説します。
モバイルフレンドリーなページ設計にする
ECサイトでは、モバイルフレンドリーなページ設計をすることで、検索サイトからの評価を高められます。
モバイルフレンドリーとは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で、快適にコンテンツを閲覧しやすい状態を指します。
近年、パソコンだけでなくモバイル端末からのアクセスが増加しており、検索エンジンもモバイル対応の有無を重視する傾向にあります。
特に、Googleはモバイルファーストインデックス(MFI)を採用しており、モバイル対応サイトの評価が検索順位に影響する傾向にあります。
モバイルフレンドリーにするための具体的な対策は、主に以下のとおりです。
- レスポンシブデザインの採用
- モバイル端末で使用できないソフトウェアの排除
- タップしやすいUI設計
- フォントサイズの最適化
モバイルフレンドリーな設計を施すことで、検索エンジンの評価向上だけでなく、ユーザーの利便性向上も期待できるため、コンバージョン率の向上にもつながります。

ページの表示速度を高める
ページの表示速度は、検索順位に影響を与える重要な要因の一つです。
表示速度が遅いと、検索順位が下がる可能性があるため、適切な対策を講じましょう。
また、表示速度の遅延はユーザーの離脱率にも影響します。
2018年にGoogleが公表したデータによると、ページの読み込み時間が1秒から3秒に増加すると、離脱率が32%上昇すると報告されています。
ページの表示速度を向上させるには、AMPの実装や画像・ソースコードの軽量化などが有効です。表示速度を簡易的に調べるには、Googleが提供する無料ツール「PageSpeed Insights」を利用するとよいでしょう。
出典:Think with Google「Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed」
検索エンジンのクローラビリティを最適化する
検索エンジンから正しく評価を受けるには、クローラビリティを高めることが重要です。
クローラビリティとは、検索エンジンのクローラーがWebサイトを巡回しやすい状態のことです。
クローラーが巡回したページは検索エンジンの評価対象となるため、適切に対策することでインデックスされやすくなります。
検索エンジンはすべてのWebサイトを自動的にクロールできるわけではないため、クローラビリティを最適化し、検索エンジンに認識されやすい状態にすることが重要です。
具体的な対策として、内部リンクの設置やXMLサイトマップの作成が有効です。
内部リンクを設置する
内部リンクとは、自サイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。
適切に内部リンクを設置することで、クローラーがサイト内をスムーズに巡回しやすくなり、クローラビリティの向上につながります。
特にECサイトでは、関連商品やジャンル別商品のページに内部リンクを設置することで、検索エンジンにサイト構造を正しく伝えやすくなります。
XMLサイトマップを設置する
XMLサイトマップとは、Webサイト内のページ情報を記載したファイルのことで、検索エンジンにサイト構造を正しく伝える役割を持ちます。
XMLサイトマップを作成することで、クローラーがサイト内を巡回しやすくなりクローラビリティの向上が期待できます。
特に、商品やサービスごとにページを作成するECサイトでは、サイト内のページ数が多くなりがちです。
そのため、クローラーがすべてのページを巡回できない可能性があります。
XMLサイトマップを設置することで、クローラーが巡回しやすくなるため、検索エンジンがページを認識しやすくなります。
構造化データマークアップにて「商品」を設定する
構造化データとは、検索エンジンにWebページの内容を正しく理解してもらうために、HTMLに記述されたデータです。
HTMLタグを用いて、構造化データを実装することを「構造化データマークアップ」と呼びます。
検索エンジンは通常、ページ内のテキストや画像を単なる文字列やファイルとして認識するため、その意味を正確に理解しているわけではありません。
しかし、構造化データをマークアップすることで、ページ内の情報が何を意味するのかを検索エンジンに伝えられます。
ECサイトでは、商品情報を構造化データとしてマークアップすることで、検索エンジンが商品ページの内容を効率的に把握しやすくなります。
ECサイトにおける外部対策
外部サイトからの評価を高めることは、検索エンジンから評価向上につながるSEOの外部対策として効果を期待できます。
しかし、ECサイトの場合、外部対策を講じにくい側面があります。
ECサイトの外部対策として、主に以下の施策が挙げられます。
- 外部サイトからの被リンク獲得
- SNSの活用
- プレスリリースの配信
特に拡散性の高いSNSの活用は、一見すると効果的に思えます。
しかし、SEOにおいては被リンクの「質」が重要であり、低品質な被リンクは逆効果になる可能性があります。
スパムリンクや不自然な被リンクが増えると、検索エンジンからペナルティを受けるリスクが高まるため、ECサイトで外部対策する際は慎重に進めることが重要です。
ECサイトにおけるコンテンツ対策
ECサイトのコンテンツ対策として、主に以下が挙げられます。
- 商品画像を充実させ、Altタグを設定する
- 記載する内容を充実させる
- 商品やページに対して適切なカテゴリ設定を行う
- 取扱い商品やサービスを充実させる
ここでは、上記の対策を詳しく解説します。

商品画像を充実させ、Altタグを設定する
Altタグとは、Webページの画像が何らかの理由で表示されない場合に、代わりに表示するテキスト情報です。
Alt属性や代替テキストとも呼ばれます。
ECサイトでは、商品やサービスに間する画像を充実させ、適切なAltタグを設定することでユーザーの利便性が向上します。
たとえば、視覚障害のあるユーザーが音声読み上げ機能を利用する際、Altタグが設定されていないと画像の内容を正しく伝えられません。
また、通信環境の問題などで画像が表示されない場合でも、Altタグのテキスト情報が表示されるため、ユーザーは内容を把握しやすくなります。
記載する内容を充実させる
ECサイトでは、取り扱う商品やサービスの種類が多いほど、各商品の詳細ページの内容が簡素になりがちです。
しかし、商品の魅力を十分に伝えるためには、説明文を充実させることが重要です。
商品説明を詳しく記載することで、ユーザーが購入前に必要な情報を得られるようになり、サイトの利便性が向上します。
また、検索エンジンにとっても、充実したコンテンツは評価の対象となるため、SEOの効果が期待できます。
単に商品スペックを羅列するだけでなく、商品の特長や使用シーン、メリットなどを分かりやすく伝えることで、検索結果の上位表示につながる可能性があります。
商品やページに対して適切なカテゴリ設定を行う
ECサイトにおいて、カテゴリの適切な設定は重要なコンテンツ対策の一つです。
商品やページを適切なカテゴリに分類することで、ユーザーが探している商品を見つけやすくなります。
直感的で整理されたカテゴリ構造は、サイトの利便性を高めます。
さらに、Webサイトの階層構造が最適化され、クローラーがサイトを巡回しやすくなることも適切なカテゴリ設定で得られるメリットです。
クローラーの巡回により、検索エンジンが各商品ページの内容を理解しやすくなり、SEO効果が高まります。
取扱い商品やサービスを充実させる
ECサイトの取扱い商品やサービスを充実させることも、コンテンツ対策として有効と考えられています。
内部技術や外部対策をいくら施しても、取扱い商品が少ない場合は、ユーザーにとって利便性が高いサイトとは言えません。
サイトが提供する商品やサービスが豊富なら、ユーザーが求める商品を見つけやすくなり、満足度が向上します。
また、取扱い商品が十分にあることで、サイト内の回遊率が高まり、滞在時間が増えてSEOに好影響を与えることが期待できます。
ECサイトのSEO対策の注意点
ECサイトにおいてSEOは重要ですが、一方で注意点も存在します。
重複ページを生成しない
ECサイトでは、取り扱う商品が多いため、誤って重複ページを作成してしまうことがあります。
しかし、重複ページは検索エンジンから低品質なコンテンツと認識され、SEO評価が下がる原因となります。
似たような商品がある場合でも、ページ内容が似通ったものにならないように、各商品の特長や詳細情報を記載してオリジナリティを出すことが重要です。
商品ごとに異なるコンテンツ内容にすることで、検索エンジンはもちろんユーザーにとっても価値のあるページを提供できます。
サイトのSSL化をする
SSL化とは、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化することです。
SSL化されていないサイトでは、通信が暗号化されていないため、第三者に個人情報が漏洩するリスクが高まります。
ECサイトでは、商品の購入時にクレジットカードや個人情報を扱う場面が多いため、サイトのSSL化は必須です。
万が一、サイト利用者の個人情報が漏洩してしまうと、信頼性の低下や法的な問題に発展する可能性があるため、早期にSSL化を実施しておくことが重要です。
SSL化により、ユーザーに安心感を提供できるだけでなく、検索エンジンにもセキュリティの高いサイトとして評価されるため、SEOとしても有効に働きます。
販売終了ページを漏れなく対応する
ECサイトのSEOにおいて、商品やサービスの販売終了に適切に対応することが重要です。
販売終了した商品のページをそのまま残しておくと、ユーザーにとっては不便な体験となるだけでなく、クローラーにも悪影響を及ぼす可能性があります。
販売終了ページに対しては、404エラーページを表示するか、新しいバージョンの商品ページにリダイレクトすることで対応しましょう。
適切に対応することで、ユーザーの利便性が保たれるとともに、検索エンジンもサイトの状態を正しく認識するため、SEO効果を維持できます。

コラム記事の活用も効果的!
ECサイトでは、商品やサービスのページだけでなく、コンテンツSEOとしてコラム記事を活用することも効果的です。
コンテンツSEOとは、ユーザーの悩みやニーズに応える情報を提供することによって、検索エンジンからの評価を高めるSEO施策です。
たとえば、加湿器を探しているユーザーに対して、加湿器の種類や選び方、おすすめの商品など、課題を解決するコンテンツを作成します。
「加湿器 おすすめ」などのキーワードで検索された際に上位表示を狙うことで、潜在顧客や顕在顧客に自社商品をアピールできます。
まとめ:ECサイトのSEO対策を極めてさらなる売り上げアップを!
ECサイトでは、内部技術(テクニカルSEO)や外部対策、コンテンツ対策といったSEO施策を実施することで、検索エンジンからの評価を高め、より多くのユーザーに自社商品を認知してもらうことが期待できます。
ただし、適切な施策を講じていないと、検索エンジンからマイナス評価やペナルティを受けるリスクもあるため、専門家の力を借りることが重要です。
SEOを効率的かつ適切に行うことで、効果を実感しやすくなります。
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早稲田大学卒業後、新卒でパーソルキャリア株式会社に入社。その後、個人事業主としてWEBメディアやYouTubeチャンネルの運営を行う。現在はLifunextのSEO事業部責任者としてBtoB、BtoCを問わず多くの企業を支援している。