運用型テレビCMとは?費用相場からCTVとの違いまで徹底解説

テレビCMに興味はあるものの、「費用が高そう」「効果が見えにくい」と感じて踏み出せない方は多いのではないでしょうか。
そうした課題を解決する手段として注目されているのが「運用型テレビCM」です。
本記事では、運用型テレビCMの仕組みや費用の目安、メリット・注意点に加え、近年急成長しているCTV(コネクテッドTV)広告との違いや使い分けまで、動画広告の導入を検討している方に向けてわかりやすく解説します。
運用型テレビCMとは

運用型テレビCMは、テレビの広いリーチ力と、Web広告のようなデータ分析を組み合わせた新しいCMの手法です。
放映後のデータをもとに改善を重ねられる点が従来のCMと大きく異なります。
ここでは基本の仕組みと成長の背景、従来型との違いを説明します。
従来のテレビCMでは「どの番組・時間帯のCMが、具体的にどれだけ成果につながったのか」を把握することが困難でした。
運用型テレビCMでは、CM放映データとWebサイトのアクセス数や検索数の変化を紐づけて分析し、費用対効果を数字で確認できます。
つまり「出して終わり」ではなく「出してから改善する」CMが実現する点が最大の特長です。
※なお、広告会社によっては、地上波放送に加えてTVerなどの配信面(コネクテッドTV)を含めた統合型の広告運用を「運用型テレビCM」とする場合もあります。
本記事では、地上波の放送枠を活用したものを運用型テレビCM、配信面を活用したものをCTV広告として区別します。

運用型テレビCMが成長した背景
運用型テレビCMが広まった大きなきっかけの一つが、2020年以降に登場した「SAS(Smart Ad Sales)」をはじめとする、柔軟なCM枠販売手法です。
従来のテレビCMは「タイムCM」と「スポットCM」の2種類が主流でした。
タイムCMは特定の番組のスポンサーとして最低1クール(3か月)から契約するもの、スポットCMは時間帯を指定して最低1週間〜1か月程度のまとまった出稿が前提でした。
SASはこれらと異なり、CM枠を15秒1本単位から購入でき、地方局であれば数万円からスタートできます。
これにより中小企業やスタートアップでもテレビCMに挑戦しやすくなりました。
加えて、総務省の調査(令和6年度)では、全年代の平日のインターネット利用時間は181.8分に対し、テレビ(リアルタイム)視聴は154.7分と、ネット利用がテレビを上回る傾向が続いています。
こうしたメディア接触の変化が、テレビCMにもデータ活用型の運用を求める流れを加速させています。
参照:総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表
従来型CMとの違い
従来のテレビCMは、放映前に出稿枠と予算を決め、一定期間まとめてCMを流す「買い切り型」が基本でした。
効果の確認は放映後の視聴率やアンケート調査が中心で、「どの枠がどれだけ成果に貢献したか」をリアルタイムに把握するのは困難でした。
運用型テレビCMでは、放映後にWebサイトのアクセス数や指名検索数の変化をデータで確認できます。
その結果をもとに、効果の高い枠に予算を集中させたり、CM素材(クリエイティブ)を改善したりと、PDCA(計画→実行→検証→改善)を回せます。
費用面でも、従来型が数百万〜数千万円規模を前提としていたのに対し、SAS活用で数万円からの少額スタートが可能です。
運用型テレビCMの費用相場

「テレビCMは高い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかしSASの登場で費用のハードルは大きく下がっています。
テレビCMの費用は「放映費(テレビ局にCMを流してもらう費用)」と「制作費(CM映像を作る費用)」の2つで構成されます。
放映費の目安
放映費は放送局や時間帯、出稿エリアによって変動します。
SASの場合、15秒CM1本あたりローカル局で数万円、関東キー局でも条件によっては数万円台から出稿できる枠もあります。
ただし、ゴールデンタイム(19時〜22時頃)の人気番組では、1本あたり数十万円以上になるケースもあります。
スポットCMの場合は、在京キー局(日本テレビ・TBSなど東京の放送局5社)で15秒1回あたり数十万円規模になることが一般的です。
地方局を活用すれば費用を大幅に抑えることができます。
制作費の目安
制作費は、CM映像の内容や出演者によって大きく変わります。
既存の素材やアニメーションを使うCMであれば15万〜50万円程度、撮影を伴う実写CMでは70万〜300万円程度が一般的です。
有名タレントを起用する場合は出演料だけで数千万円規模になることもあるため、目的と予算のバランスが重要です。
予算別の出稿イメージ
以下の表は、予算感ごとにどのような出稿が可能かをまとめたものです。
| 予算感 | 出稿イメージ | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 30万〜50万円 | 地方局で数回放映(SAS活用)+素材流用で制作 | テスト出稿・効果検証 |
| 100万〜200万円 | 地方局で15〜25回放映+撮影ありの制作 | 特定エリアでの認知拡大 |
| 300万円〜 | 複数エリア・キー局での出稿+本格制作 | ブランド認知・売上拡大の本格施策 |
運用型テレビCMのメリット

運用型テレビCMの主なメリットは、効果の可視化、ターゲットに合わせた配信、そして少ない予算からスタートできる点の3つです。
数値の可視化により分析がしやすい
放映データとWebのアクセス数・指名検索数・コンバージョン(問い合わせや購入)を照合し、「どの枠に出したCMが、どれだけ成果を生んだか」を数字で確認できます。
従来のGRP(延べ視聴率=CMが放映された際の視聴率の合計値)だけでは見えなかった成果が可視化されるため、次の出稿を最適化しやすくなります。
ターゲットを絞った配信ができる
視聴データを分析して、自社のターゲット層がよく見ている番組や時間帯を選んで出稿できます。
たとえば30〜40代の主婦層がターゲットなら、視聴率の高い昼の情報番組を選ぶといった形です。
「広く打つ」従来型と比べて予算を集中させやすく、費用対効果を高められます。
比較的安価な予算で始められる
SASにより1本単位で購入でき、地方局なら数万円からスタート可能です。
まずは小規模にCMの反応を試し、効果が見込めれば本格出稿へ移行する段階的なアプローチがとれます。
1クール単位で数百万円の予算が必要だった従来型と比べ、初めてテレビCMに取り組む企業でも参入しやすい仕組みです。
運用型テレビCMの注意点
メリットが多い一方で、デジタル広告と同じ自由度があるわけではありません。
導入前に押さえておきたい注意点を紹介します。
個人へのターゲティングが難しい
世帯・エリア・時間帯での最適化は可能ですが、デジタル広告のように「25歳・女性・美容に興味あり」といった個人単位の精密なターゲティングはできません。
テレビは「世帯」に届くメディアのため、より高精度な配信にはCTV広告やWeb広告との併用を検討するのがおすすめです。
配信枠の調整が難しい
デジタル広告のようなリアルタイムの停止・変更は難しく、SASでも放送日の13日前以降はキャンセル不可のケースがあります。
また、特別番組への編成変更で予約した番組が変わることもあるため、余裕を持ったスケジュールで出稿を計画しましょう。
運用型テレビCMとCTV(コネクテッドTV)広告の違い
どちらもテレビ画面を使った広告ですが、配信の仕組みやターゲティング精度に大きな違いがあります。
CTV(コネクテッドTV)とは、インターネットに接続されたテレビのことで、TVerやABEMA、YouTubeなどの動画配信サービスを視聴できるテレビ端末を指します。
| 比較項目 | 運用型テレビCM | CTV広告 |
|---|---|---|
| 配信面 | 地上波テレビの放送枠 | TVer・ABEMA・YouTubeなどの動画配信アプリ |
| ターゲティング | 世帯・エリア・時間帯が中心 | 年齢・性別・興味関心・行動データを活用可能 |
| 効果測定 | 視聴率+Web指標との紐づけ分析 | 表示回数・視聴完了率・CVなどWeb広告に近い計測 |
| 改善スピード | 放映後のデータ分析→次回出稿で反映 | 配信中にリアルタイムで調整可能 |
| 費用感 | SAS活用で数万円〜、本格出稿は数百万円〜 | 数十万円〜(CPM=表示1,000回あたりの単価で課金) |
CTV(コネクテッドTV)広告については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
ぜひ参考にしてください。

配信面の違い
運用型テレビCMは地上波テレビの放送枠に流れ、従来のCMと同じ形式で表示されます。
一方、CTV広告はTVer・ABEMA・YouTubeなどのインターネット動画配信サービス上で配信され、スマートテレビやFire TV Stick、Chromecastを通じてテレビ画面で視聴されます。
ターゲティング精度の違い
運用型テレビCMは世帯・エリア・時間帯のデータをもとに出稿を最適化します。
CTV広告は視聴者の年齢・性別・興味関心・閲覧履歴データを使い、個人に近い精度でターゲティングが可能です。
「特定の属性の人にだけ広告を表示する」といった、Web広告に近い精度で運用できます。
効果測定・改善スピードの違い
運用型テレビCMは放映後にデータを分析して次回の出稿に反映する流れが中心です。
CTV広告はWeb広告と同様に、表示回数(インプレッション)や視聴完了率、コンバージョン数をリアルタイムで確認でき、配信中のCM素材の差し替えや予算調整も柔軟に行えます。
近年は、放送局自身も地上波とデジタル配信を統合した広告商品を展開しています。
たとえば、日本テレビ が提供する広告ソリューション「スグリー」では、地上波テレビCMとTVerなどの配信面を横断したデータ活用型の運用が可能とされています。
このように、テレビ広告は従来の“放送枠の買い切り”から、データに基づいて改善を重ねる運用型へと進化しています。
運用型テレビCMとCTV(コネクテッドTV)の使い分け

それぞれ強みが異なるため、自社のターゲットや目的に応じた使い分けが重要です。
運用型テレビCMが向いているケース
幅広い層に認知を広げたい場合や、テレビをよく見る層(ファミリー・シニア層)がメインターゲットの場合に適しています。
総務省の調査では「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために最も使うメディアとして、全年代でテレビが51.6%と最も高い結果が出ています。
BtoB企業にとっても「テレビCMを放映している」という印象は営業時の信頼感につながるケースもあります。
参照:総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表
CTV(コネクテッドTV)広告が向いているケース
若年層へのリーチやWeb広告との連動施策を重視する場合にはCTV広告が効果的です。
電通「2024年 日本の広告費」によると、テレビメディア関連動画広告費(主にTVerなどの配信サービスを含む)は前年比147.4%の653億円と急伸しています。
CTV単体の数値ではありませんが、テレビ画面で視聴される動画広告市場が拡大していることがわかります。
個人単位のターゲティングやリアルタイムの効果測定が可能で、少額からPDCAを回して成果を高められます。
明確なターゲットに届けたいならCTV(コネクテッドTV)広告
特定のターゲットにピンポイントで届けたい場合はCTV広告がより適しています。
ここではCTV広告の2つの強みを紹介します。
テレビ離れが進む若年層にもリーチしやすい
総務省の調査では、10〜20代ではインターネットの平均利用時間がテレビ視聴を大きく上回っており、若年層のテレビ離れが顕著です。
CTV広告はTVerやYouTubeなどで配信されるため、地上波を見ない層にも効果的にアプローチできます。
属性・興味関心データを活用した個人への配信が可能
CTV広告は視聴者の年齢・性別・興味関心・行動データを使い、パーソナライズされた広告配信ができます。
運用型テレビCMが「エリアや時間帯」で配信を最適化するのに対し、CTV広告は「この属性の人にだけ広告を表示する」という精度の高い配信が可能です。
表示回数や視聴完了率をリアルタイムで取得でき、配信中の改善を即座に反映できるため、費用対効果を数字で追いかけたい企業に最適です。
動画広告を始めるならLifunextへ
ここまで運用型テレビCMとCTV広告の違いを解説してきましたが、動画広告を初めて導入する企業こそ、まずは効果を可視化しやすいCTV広告からスタートするのがおすすめです。
Lifunextは、ターゲット設定と効果の可視化に強みを持つCTV広告に対応したデジタルマーケティングエージェンシーです。
CTV広告の配信設計からCM映像の企画・撮影・編集まで、クリエイティブ制作にもワンストップで対応しています。
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動画広告を検討している方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
運用型テレビCMやCTV広告について、よくいただく質問にお答えします。
Q1.運用型テレビCMとは、従来のテレビCMと何が違うのですか?
最大の違いは「効果をデータで検証し、改善できる」点です。
従来のCMは買い切り型で放映後の成果が見えにくい面がありましたが、運用型では放映データとWeb指標を紐づけて分析し、次の出稿に活かせます。
SASにより1本単位で購入でき、少額から始められる点も異なります。
Q2.運用型テレビCMはどんな企業に向いていますか?
初めてテレビCMに挑戦したい中小企業やスタートアップ、CMの効果をデータで検証したい企業に向いています。
地方局で数万円からテスト出稿し、効果が見込めれば予算を拡大するステップが踏めます。
BtoB企業にとっても信頼性向上につながる効果があります。
Q3.運用型テレビCMとCTVはどちらを選ぶべきですか?
目的とターゲットによって使い分けるのが最善です。
幅広い認知拡大なら運用型テレビCM、若年層や特定属性への配信ならCTV広告が適しています。
予算に限りがある場合は、CTV広告からスタートし、認知拡大フェーズでテレビCMを追加するメディアミックスも有効です。
まとめ
運用型テレビCMは、テレビの圧倒的なリーチ力にデータ分析を組み合わせた広告手法です。
SASの登場で数万円からスタートでき、これまで手が届かなかった企業にも現実的な選択肢となっています。
一方で、個人単位のターゲティングやリアルタイムの配信調整を重視する場合はCTV広告が有効です。
さらに近年では、地上波とCTVを横断して設計する“統合型の動画広告運用”も広がってきています。
どちらか一方ではなく、目的・ターゲット・予算に応じて組み合わせることで、動画広告の効果を最大化できます。
動画広告の導入を検討している方は、Lifunextまでお気軽にご相談ください。
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2013年株式会社セプテーニに入社後、SEM本部に配属となり、5年間一貫してYahoo!、Googleのリスティング広告、ディスプレイ広告のコンサルタントとして従事。 Hagakure提案者とともに数々のプロモーションを改善へと導く。 BtoBからBtoC、WEBからアプリまで幅広い業界でクライアントを支援。単月2.2億円の納品売上ギネス更新経験をもつ。






