【株式会社キャロットカンパニー様|対談】市場の「勢い」をブランドの「意志」へ。アネロが挑む次世代の事業構造転換
-3.png)
爆発的なヒットを記録した「口金リュック」で知られるバッグブランド『anello(アネロ)』。
市場の追い風を受けて急成長を遂げた裏側で、ブランドは持続可能な成長に向けた「次の一手」を模索していました。
単なる流行で終わらせないために、今、どのような変革が進んでいるのか。
ブランドのマーケティング・クリエイティブ責任者の角谷 雨氏と、その変革を共走するLifunext(以下、LFN)ストラテジックプランニング室 マネージャー衣川高史、シニアコンサルタント杉浦真希子による対談をお届けします。
株式会社キャロットカンパニーとは
株式会社キャロットカンパニー様は「anello®(アネロ)」や「legato largo®(レガートラルゴ)」といった世界的に人気のバッグブランドを展開する、大阪発のバッグ・ファッショングッズメーカーです。
性別や年齢を問わず、日常のあらゆるシーンに寄り添う機能性とデザインを両立させた製品づくりを強みとしています。
特に、代名詞とも言える「口金リュック」は、日本国内のみならずアジア圏を中心とした海外市場でも圧倒的な支持を得ており、グローバルなライフスタイルブランドとして成長を続けています。
当社がご支援に至った背景
従来の店舗販売や卸売中心のモデルから、顧客と直接つながるD2C(Direct to Consumer)へのシフトを重要課題とされていました。
その中核として、主力ブランド「anello®」がより深く、長く愛される存在となるためのリブランディングを決意。
当社は当初、戦略立案やポジショニング規定の策定フェーズからプロジェクトに参画いたしました。
プロジェクトの進展に伴い、戦略策定に留まらず、施策の実行フェーズまでを当社が一括して貢献する体制へと移行しました。
現在はブランド戦略を土台とし、広告運用やSEO対策など、マーケティングの全方位において伴走しています。
戦略と実行を切り離さず、一気通貫で支援することで、ブランド価値の向上と実利(売上)の両立を目指しています。
流通の勢いで掴んだ成長と、その先に現れた課題
—— まずは、角谷さんの役割とブランドの現状を教えてください。
角谷氏:ブランド統括本部で、anelloを含む各ブランドのブランディングからマーケティング、最終的なクリエイティブ管理までを横断的に見ています。
これまでの主要な販路であった「卸売」以外の、直接お客様と繋がる領域(ToC)の強化が現在の私の大きなミッションです。
—— かつての「口金リュック」のブームは、凄まじい反響でしたね。
角谷氏:もともと弊社は、「卸売業」を軸として始まった会社です。
口金リュックがヒットした際も、国内外でその強固な「流通力」によって一気に市場へ広がりました。
ピーク時には会社全体で売上120億円という非常に大きな数字を記録しましたが、それは戦略的に積み上げたというより、流通網の力と製品の勢いが噛み合った結果でもありました。
当時は「いかに面(取扱店舗)を取っていくか」ということが、ブランドの戦い方になっていたんです。
株式会社キャロットカンパニー 角谷氏

—— その後の市場の変化を、どう捉えていらっしゃいましたか?
角谷氏:今は「どこでも買えるもの」より「あえてこれを選びたい」「ここで買いたい」という希少性やストーリーが重視される時代です。
市場に広まりすぎたことで、SNSなどでは「かつての流行アイテム」という見られ方をされ始めている。
それはそれで一個の成功パターンでしが、このままのスタイルではいけない、という強い危機感がありました。
これまでは、想定を上回る売上が出ても「結果オーライ」として受け入れてきた側面がありましたが、これからの時代には、目指すべき指標を定め、そこに到達するために「計画して仕掛ける力」が不可欠です。
社内には卸売への強いこだわりも残っていますが、時代の変化に合わせた構造改革の必要性は、経営層とも深く共有しています。
「誰のためのカバンか」を定義する。逃げないリブランディング
—— LFN側としては、この大規模なプロジェクトにどう向き合いましたか?
LFN担当:私たちは、約1年以上の時間をかけて、伴走させていただいています。
私たちが感じたのは、これは単なるコミュニケーションの変更ではなく、事業構造そのものを変えるチャレンジだということです。
アパレルや雑貨といった領域では、ターゲットを広げすぎて「みんなのためのブランド」になり、結果として誰にも刺さらなくなるリスクがあります。
今回のプロジェクトで私たちが特にこだわったのは、「誰のためのカバンなのか」の再定義です。
特定の「シチュエーション」を切り口に、プロダクト開発の段階から深く関わらせていただく。
これは御社にとっても、私たちにとっても、非常に勇気のいる挑戦でした。
Lifunext コミュニケーションコンサルティング部
ストラテジックプランニング室 マネージャー 衣川 高史

角谷氏:その提案をメンバーが強い意思を持って受け入れたことが、私にとっても非常に大きな出来事でした。
単なる「企画書」上の議論で終わるのではなく、実際に自分たちの物作りから変えていくという、一気通貫した覚悟が決まった瞬間だったと感じています。
組織を動かした「因数分解」と「納得感」
—— 具体的に、LFNのどのようなアウトプットが社内の意思決定に効いたのでしょうか?
角谷氏:特定のデータというより、ブランド調査から導き出された戦略の「納得感」の強さです。
提示された資料が非常に明快だったので、プロジェクトメンバーも「クラスタ」といった共通言語を使い、徹底的に読み込みました。
自分たちがなんとなく感じていた「卸売メインであることの課題」や「市場での立ち位置」が、論理的に紐解かれていきました。
Lifunext コミュニケーションコンサルティング部 ストラテジックプランニング室
マネージャー 衣川高史
シニアコンサルタント 杉浦 真希子

—— 論理的に紐解かれたことで、組織に変化はありましたか?
角谷氏:はい。
LFNさんを一言で表すなら、漢字一文字で「解」。
そして「因数分解のプロ」ですね。
ただ綺麗な正解を提示されるよりも、自分たちが目を背けていた部分を「違和感」として突かれる方が、組織は実質的に動くんです。
数字としての根拠と、そこから導き出された戦略があったからこそ、バラバラだった社内の視界が一つに重なりました。
次なる挑戦:技術と戦略で「成功パターン」を具現化する
—— 現在は戦略フェーズから、実稼働のフェーズへと移っていますね。
角谷氏:大きな戦略図は描けました。
ここからは、それをどう具現化し、狙った成果をコントロールして作っていくかの勝負です。
2026年12月に向けて高い目標を掲げていますが、これもまた「計画的に仕掛ける力」の試金石だと考えています。
広告、SEO、データ基盤の構築……LFNさんの技術力を結集して、まずは「このやり方なら確実に届く」という成功パターンを最速で創り上げたい。

LFN担当:戦略というプロの「黒子」として、角谷さんたちの意思決定を支え続け、ブランドが新しく生まれ変わる瞬間を数字として形にしていきたいと思っています。
角谷氏:計画的に仕掛け、狙い通りの価値を届ける。
この新しいanelloの姿を、LFNさんと一緒に実現していけることを楽しみにしています。

「キャロットカンパニーのものづくり」
トレンドや見た目だけを追いかけたものづくりではなく、
長く愛されるための「使いやすさ」や「機能性」を備え、
ユーザーにとって価値のある「ものづくり」を。
Lifunextの戦略コンサルティングは、非連続な成長戦略を組み上げて実行・改善まで伴走します!
新規事業開発・マーケティング戦略・ブランディング戦略やPR施策などをご支援しています。
Lifunextのチームは、統計学・データ分析を軸にした「ストラテジック」、認知心理学・デザイン思考を軸にした「コミュニケーションデザイン」の2軸でアプローチします。
PMF検証、コミュニケーション戦略設計などを実施されたい際は、お気軽にお問い合せください。
\ 戦略コンサルティングのご相談はLifunextへ /

22年総合コンサル(ABeam Consulting Ltd.)でのDX推進PJを経て、2024年からlifenextストラテジックプランニング室へ。ブランドの再定義、商品/価格/流通/コミュニケーションの科学を一気通貫で担い、データから勝算を描く。
アスキングと実購買行動を組み合わせた統合分析が強み。事業成長に責任を持つパートナーとして、検証結果を次なる成長への勝ち筋へと翻訳する。





