【図解あり】Google広告のコンバージョンの設定方法を分かりやすく解説
Google広告の効果を最大化するためには、コンバージョンの活用が重要です。この記事ではコンバージョンの設定から適切な運用方法を紹介します。この記事を読むことで広告運用の適切な手法を学べます。
Google広告におけるコンバージョンとは
Google広告におけるコンバージョンとは、広告を通じて次のような行動に至ることを指します。
- ECサイトでの商品の購入
- 問い合わせフォームの送信
- メーリングリストへの登録 など
広告の影響度合いや投資対効果(ROI)の評価に用いられる重要な指標です。そのため、何を評価対象とするのかは、運用目的によって大きく変わります。
コンバージョンの種類
種類については、以下の内容を参照してください。
Webサイト | サイト内で行われる操作内容のトラッキングが該当します。特定のフォームの送信回数が指標になり得ます。 |
アプリ | アプリ内で行われるアクションのトラッキングが該当します。アプリのダウンロードやアプリ内での商品購入の回数が指標になり得ます。 |
電話 | 広告からの電話通話をトラッキングします。広告元への電話問い合わせ、つまり掲載されている電話番号のクリックや直接ダイヤルが該当します。 |
Google広告におけるコンバージョン設定の仕組み
あらかじめ定めていた特定の行動を、広告の宣伝効果測定するタグ(コンバージョンタグ)が認識することでコンバージョン数を計測します。計測されたデータは効果検証に必要なデータかつ施策の定量的な評価に必要です。
Google広告の2つのコンバージョンカウント方法
ここではコンバージョンのカウント方法について次の2つを紹介します。
①すべてのカウントする方法
インタラクション(例えば、広告を掲載しアクセスするまでの一連の流れ)後に発生したすべてのコンバージョンをトラッキング対象のタグごとに計測する方法です。具体的な活用場面は、ユーザーの行動によって売上が発生するような場合が該当します。例えば、ECサイトでの商品購入やホテルの予約などです。売上に至るまでの経緯と施策を改善したい場合に適しています。
②1回のみカウントする方法
広告がクリックされた後に発生する特定の行動を1回だけ計測する方法です。売上に直結したアクションというより、見込み客が獲得できたかどうかを確認したい場合に適した方法です。例えば、資料請求や会員登録といった「初回のみ」のアクションが該当します。
コンバージョンの3つの設定方法
ここでは以下の3つの設定方法について紹介します。
コンバージョンタグを自社サイトに設置する方法 | ・他ツールに関する事前学習は不要 ・HTMLが修正できる環境が必要 |
Google Analyticsのインポート機能を使う方法 | ・広告媒体が異なっても同じ基準で評価可能 ・設定内容がシンプルな場合におすすめ |
Googleタグマネージャーを使う方法 | ・HTMLファイルの編集が不要 ・複数の広告媒体のタグも一元管理可能 ・タグ管理をツールで一元化したい場合におすすめ |
また、これらの方法に関して詳細な設定方法について紹介します。
方法1:コンバージョンタグを自社サイトに設置する
タグを自社サイトに設置する方法は、HTMLの知識があれば、すぐに対応できる方法です。
1.Google広告にログインしてコンバージョンアクションを新規追加
まず管理画面にログインしましょう。はじめに「何を指標とするのか」と定義づけすることが重要です。
操作方法は次の通りです。
- 画面左の「目標」をクリック
- 「コンバージョン」のプルダウンメニューをクリック
- 「概要」を選択
- 「コンバージョン目標」クリック
- 「新しいコンバージョンアクション」をクリック
2.トラッキングするコンバージョンを選択
操作方法は次の通りです。
- 「新しいコンバージョンアクション」をクリック
- 「Webサイト」を選択
- Webサイトのドメインを入力
- 「スキャン」をクリック
- 「手動でコンバージョンアクションを追加」をクリック
- 自社の目的にあった指標を設定
3.タグを発行する
前述の必要項目を設定すると、Googleタグ(アカウントに対して発行されるタグ)とイベントスニペット(イベント発生ごとに発行されるタグ)が発行されます。
それぞれをコピーして保管、あるいは「ウェブ担当者にメールで手順を送信」をクリックしてください。
4.タグを自社サイトに設置する
HTMLを使ってタグを設置する場合、Googleタグに関しては、広告に関連するWebサイトの<head>内に設置します。
イベントスニペットに関しては、コンバージョンを測定したいWebサイトの<head>内に設置してください。
方法2:Google Analyticsのインポート機能を使う
Googleアナリティクスは、複数広告における評価指標を一元管理することに適した方法です。ツールを使うためには、各機能の連携が必要であるため、事前準備として必要な作業を済ませておきましょう。
ただし、それぞれの機能における権限が「編集者」以上であることや「管理者」であることが重要です。
1.Google Analyticsで目標設定する
ツールを活用するためにも、まずは目標設定が必要です。
- 管理」から「データの表示」→「イベント」をクリック
- 「イベントを作成」をクリック
- カスタムイベントから「作成」をクリックし、コンバージョンを設定
- 必要情報を入力し、「作成」を選ぶ
- 設定画面から「キーイベント」を選択
- 「新しいキーイベント」クリック
- 作成した指標を「新しいイベント名」に入力
- 「保存」を選択
「キーイベントとしてマークを付ける」がONになっていることが確認できれば設定は完了です。
2.設定した目標をGoogle広告にインポートする
次にGoogle広告を立ち上げて、設定した目標をインポートしましょう。
- 「目標」タグから、「コンバージョン」→「概要」の順で選ぶ
- 「コンバージョン目標」のタグを選択
- 「新しいコンバージョンアクション」を選ぶ
- トラッキングするコンバージョンの種類から「インポート」を選択
- Google アナリティクスを選択し、「続行」を選択
- 該当項目を選択し、「インポートして続行」を選ぶ
方法3:Googleタグマネージャーを使う
Googleタグマネージャー(GTM)とは、Googleが提供しているタグ管理ツールです。ウェブサイトだけではなく、アプリに設置するトラッキングコードなどのタグを一元管理できます。
無料版と、有料版である「タグマネージャー360」の2種類が設けられていますが、タグを管理するために必要な機能は無料版にも搭載されているため、まずは無料版を使ってみて使用感を確かめてみることをおすすめします。
ちなみに有料版は、大規模サイトを運営する大企業向けに提供されるツールです。無料版と比較して、利用できるワークスペースの数、サポートの範囲や水準に違いがあります。
1.Googleタグマネージャーのアカウントを設定する
ツールを利用するためには、まずアカウント設定からはじめましょう。アカウントがない場合は事前に作成しなければなりません。
- アカウントを取得
- 公式サイトにアクセス
- 右上にある「タグマネージャーにログイン」をクリック
- アカウント名と国を設定
アカウント名には会社名や担当部署などを設定しましょう。
2.コンテナ設定からターゲットプラットフォームを選択する
次にコンテナを設定します。コンテナとは、サイトやアプリの名称などを指します。そのため、該当枠にはサイトの種類やURLを登録してください。サイトだけではなく、アプリやAMPページなども設定可能です。
作成ボタンを押すと利用規約が現れるため、規約に問題がなければ「はい」を押しましょう。
3.タグをコピーして自社サイトに設置する
規約同意後、HTMLタグが表示されるためコピーしましょう。コピーしたタグを、ウェブサイトの<head>、<body>の箇所に貼り付けると初期設定は完了です。
4.Google広告とGoogleタグマネージャーを紐付けする
Google広告とGoogleタグマネージャーを紐付けるにはコンバージョンの設定が必要です。コンバージョンの設定については、前述の「方法1:コンバージョンタグを自社サイトに設置する」の方法1から3を参照してください。
その後の手順は次の通りです。
- コンバージョンIDとラベル発行
- Google広告の画面で「Googleタグマネージャーを使用する」を選択
- Googleタグマネージャー上で「新しいタグを追加」をクリック
- タグの名前を入力し、「タグの設定」のアイコンをクリック
- 「Google広告」→「Google広告のコンバージョントラッキング」の順に選択
- 「コンバージョンID」と「ラベル」をそれぞれ入力
5.コンバージョンのトリガーを設定する
次にトリガーを設定します。設定方法は次の通りです。
- トリガー」アイコンをクリック
- 画面右上の「+」をクリック
- トリガータイプを選択
- 「ページビュー」を選択→コンバージョンの発生条件を設定
- 「トリガーの発生場所」で「一部のページビュー」を選択
URLやURLの一致条件といったコンバージョンの発生条件を設定し、発生の対象となるコンバージョン完了ページ(サンクスページ)のURLを入力して、保存すれば完了です。
Google広告で使われるコンバージョン関連の用語
コンバージョンタグ | 広告の成果を測定するためのタグで、特定のページに設置してコンバージョンを計測します。 |
Googleタグ | Google広告やGoogleアナリティクスなどのサービスで使用されるタグで、サイト全体のユーザー行動を追跡します。 |
コンバージョン値 | コンバージョンがもたらす価値を数値化したものです。広告キャンペーンのROIを測定するために使用されます。 |
コンバージョントラッキング | 広告をクリックしたユーザーがどのように行動したかを追跡するツールです。 |
推定コンバージョン | 直接計測できないコンバージョンを推定する機能です。クロスデバイスのコンバージョンなどが含まれます。 |
コンバージョン率 | コンバージョン数をアクセス数やクリック数で割った割合です。 |
コンバージョン単価 | 1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用を指します。CPA(Cost Per Acquisition)とも呼ばれます。 |
データドリブンアトリビューション | アクセスデータを基にどのキーワードやキャンペーンがコンバージョンに貢献しているかを把握する手法です。 |
広告運用においてコンバージョン設定が重要な理由
広告運用においてコンバージョンを設定することで多くのメリットを得られます。ここではコンバージョン設定が必要な理由を解説します。
戦略の立案・最適化を促進する
事業戦略の立案に関して、コンバージョン設定を介することで戦略の最適化を促進できます。コンバージョンによって得られるデータは、広告主が事業戦略を立てる上で重要な情報源です。コンバージョン数を計測できれば、今月のコンバージョン数、今年のコンバージョン数、それらを前年と比較した際の数値など、様々な数字が見えてきます。そして、これらの数字を比較検討することは、事業戦略の立案には欠かせません。
また、算出される数値から損益分岐点が計算でき、必要な施策の最適化にもつながります。
測定・評価・改善を簡略化できる
コンバージョンが適切に管理されていればPDCAサイクルも効率的に回せます。コンバージョン率の良し悪しを判断するには、適切な設定が欠かせません。なぜならば、「直感を頼りにしたGoogle広告運用」しかできなくなるからです。
効果的なコンバージョンにつなげるポイント
ここからは効果的なコンバージョンにつなげるポイントとして次の4つを紹介します。
目標の明確化
Web広告を通じて自社の利益を最大化させるためには、広告の掲載理由の明確化や成果の明確化は欠かせません。自社のマーケティングにとって必要な項目が定まれば、追い求めるべきコンバージョンの定義は定まります。
一方で、達成すべき成果や広告施策の目的が定まっていなければ、必要な人的コストや工数が無駄になるでしょう。限られた資源を有効活用するためにも目標の明確化は必須条件です。
勝ち筋のあるキーワード選定
リスティング広告やSEO対策も実施する際には、自社のターゲットの興味関心があるキーワードの中で、検索率の高いキーワードを優先して配信することが重要です。その結果、サイトへのアクセス数が高まれば、広告へのアクセス率も向上します。
キーワードを選定する上で重要なポイントは分析ツールを活用することです。特にGoogleアナリティクスの活用はおすすめです。コンバージョンの分析と合わせてキーワード選定にも活用できるため、施策の最適化や効果の最大化につながります。
指標の分析
コンバージョンを計測することで様々なデータを入手できます。しかし、入手したデータを上手く活用できなければ、Web広告から得られる効果は小さいでしょう。
そのため、定期的に広告のパフォーマンスを詳細に分析し、クリック率やコンバージョン率の向上につながる要素を探しましょう。Google広告でどのキーワードでの流入が多いのか、コンバージョンにつながっているのかなどを分析して、キーワードの選定に役立てることが重要です。
まとめ:コンバージョン設定は広告運用において重要なポジション
この記事ではコンバージョンの設定方法からWeb広告を運用する上で重要なポイントについて紹介しました。コンバージョンを設定し、結果を分析することは、広告の効果を最大化すること、自社の利益を最大化し、資源配置の最適化に資することが分かりました。
設定自体は難しくなく、GoogleアナリティクスやGoogleタグマネージャーといったツールを活用することで、施策の分析も容易にできます。これからの時代、Web広告は企業活動をする上で欠かせないものであるため、今一度設定方法から運用上のポイントをおさえなおしましょう。
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2018年に新卒で大手保険会社に入社。 営業として主に保険代理店の新規提案や事業拡大提案に携わる。 オンライン面談システムの導入案件も担当し、幅広い業務に従事。 2021年、Lifunextにジョイン。現在はWebコンサルタントとしてBtoC企業様を中心に幅広い業界の広告運用に従事。 2023年1月には2か月連続でコンサル部門粗利1位を獲得。