【BtoB企業向け】リスティング広告とは?メリットや成果を出すコツ

リスティング広告は、検索に連動して表示されるテキスト形式の広告です。BtoB企業においては、専門性の高いターゲットに効率的にアプローチできる重要な手法です。
本記事では、リスティング広告の概要やBtoBならではの特徴、効果的な運用方法などを詳しく解説します。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告です。検索結果の上部や下部に「広告」と明記された形で表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく、効率的にアプローチできます。
例えば、「東京 イタリアンレストラン」と検索したユーザーには、東京のイタリアンレストランの広告が表示されます。このように、ユーザーが必要としている情報と関連性の高い広告を表示できるのがリスティング広告の特徴です。

BtoBにおけるリスティング広告の特徴
BtoBのリスティング広告は、BtoCとは異なる特徴があります。例えば、BtoBでは特定のニーズを持つ企業担当者に向けて広告を配信するため、専門的な情報やキーワード選定が大切です。
ここでは、BtoBリスティング広告の代表的な特徴を4つの項目に分けて詳しく解説していきます。
キーワードの検索ボリュームが少ない傾向にある
BtoBビジネスでは、使用されるキーワードも専門的でニッチなものが多く、検索ボリューム全体としては少なくなる傾向があります。一般消費者向けの製品やサービスと比べて、ターゲットとなる企業数が限られているためです。
例えば、一般消費者向けの「洗濯機 おすすめ」というキーワードは月間約90,000回検索されますが、業務用の「洗濯機 業務用」は約2,400回と大幅に少なくなります。
このようにBtoBでは専門的なニーズに対応するため、検索ボリュームが限られることが多いです。広告運用には、精度の高いキーワード選定とターゲティングが求められます。
クリック単価が高い傾向にある
BtoB市場では、クリック単価(CPC)が高くなる傾向があります。ターゲット層が狭く、キーワードに対する入札競争が激化しやすいためです。
また、成約1件あたりの利益が大きいため、広告主は高い単価を支払ってでも上位表示を狙います。一部のキーワードでは、1クリックあたり10,000円以上の費用が発生するケースもあります。
高単価であっても、適切なターゲティングと質の高い広告文を用意することで、費用対効果を高めることが可能です。重要なのは、クリック数を増やすのではなく、コンバージョンに繋がる質の高いアクセスを獲得することです。
コンバージョンポイントが多用
BtoBリスティング広告は、コンバージョンポイントが多様になります。BtoBの顧客は、製品やサービスの導入を決定するまでに、情報収集や比較検討を重ねるからです。
例えば、資料請求、問い合わせ、見積もり依頼、セミナー参加などがコンバージョンとして設定されます。広告の目的やターゲットに合わせて、適切なコンバージョンポイントを設定することが重要です。
また、複数のコンバージョンポイントを設定することで、顧客の購買段階に合わせたアプローチが可能になります。
デバイスや時間帯に偏りがある
BtoBのリスティング広告では、ユーザーの行動が業務時間内に集中する傾向があります。多くの企業担当者は平日の日中に業務用PCから情報収集を行うためです。
傾向を把握することで、より効率的に広告を配信することが可能です。具体的には、平日9時から19時にPC向けの広告配信を強化し、土日や深夜の配信を控えることで、無駄な広告費用を削減できます。
BtoB企業がリスティング広告に取り組むメリット
広告には、ほかにもSNS広告やディスプレイ広告などの種類があります。ここでは、そのなかでもリスティング広告に取り組むメリットを4つ紹介します。

顕在層に効率よくリーチできる
リスティング広告は購買意欲の高い「顕在層」に効率よくリーチできます。ユーザーが検索した際に、結果と連動して表示されるのがリスティング広告だからです。
例えば、「採用管理システム」と検索するユーザーは、採用業務の効率化を検討している可能性が高いです。このようなユーザーに広告を表示することで、無駄な広告費を抑えながら、確度の高いリードを獲得できます。
アプローチするユーザーを限定できる
リスティング広告では、自社のターゲットとなるユーザーにだけ広告を配信することができます。キーワードだけでなく、地域、年齢、性別、時間帯、デバイスなど、さまざまな条件でターゲティングを設定できます。
例えば、自社のメインユーザーの「年齢・性別」などが分かれば、そこに集中したターゲットを設定することで、無駄な広告配信を削減できます。BtoBは特定の業種や役職の担当者をターゲットとすることが多いため、ターゲティング機能は非常に有効です。
データを活用した効果検証がしやすい
リスティング広告は、広告の効果を数値的に分析し、PDCAサイクルを迅速に回すことが可能です。クリック数や表示回数、コンバージョン数、費用対効果など、さまざまなデータを取得することができるからです。
例えば、どのキーワードがコンバージョンに繋がりやすいのか、どの時間帯に広告を配信するのが効果的なのかなどをデータに基づいて判断できます。特定のキーワードでクリック率が低い場合、広告文や入札価格を見直すことで改善が図れます。
ニッチな市場でも集客が可能
BtoBビジネスにおいては、ターゲットとなる市場が非常にニッチな場合も少なくありません。リスティング広告はニッチな市場でも、関心の高いユーザーにピンポイントでアプローチできるため、効果的な集客が可能です。
例えば、「医療機器向け部品」といった専門的なキーワードでも、該当するユーザーに広告を届けることができます。
リスティング広告の予算の決め方
リスティング広告は、適切な予算設定が成功の鍵です。予算が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると無駄な広告費が発生する可能性があります。
ここでは、目標コンバージョン数、LTV、売上金額という3つの観点から、リスティング広告の予算を決める方法について詳しく解説していきます。

目標コンバージョン数から決める
まず、達成したい売上目標を設定し、必要なコンバージョン数を算出しましょう。例えば、月間売上目標が100万円で、1件あたりの平均売上が1万円の場合、必要なコンバージョン数は100件です。
次に、目標とするコンバージョン単価(CPA)を設定し、必要なコンバージョン数を掛け合わせることで、総広告予算を導き出します。例えば、目標CPAが3,000円であれば、100件 × 3,000円 = 30万円が広告予算です。
LTVから決める
LTV(顧客生涯価値)は、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす総利益を指します。リピート購入が見込めるビジネスでは、LTVを基に広告予算を設定することが効果的です。
例えば、商品単価が2万円、利益率が50%、平均購入回数が20回の場合、LTVは2万円 × 50% × 20回 = 200万円です。ここから確保したい利益率を差し引いて目標CPAを設定し、必要なコンバージョン数と掛け合わせて広告予算を決定します。
売上金額から決める
売上目標から逆算して広告予算を設定する方法です。まず、目標売上を設定し、次に平均売上単価を基に必要なコンバージョン数を算出します。月間売上目標が100万円、平均売上単価が1万円の場合、必要なコンバージョン数は100件です。
次に、目標とするCPAを設定し、必要なコンバージョン数を掛け合わせることで、総広告予算を導き出します。例えば、目標CPAが3,000円であれば、100件 × 3,000円 = 30万円が広告予算です。
リスティング広告の業界別平均CPA
リスティング広告において、CPA(顧客獲得単価)は、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用を示す重要な指標です。業界によって顧客獲得の難易度や競争状況が異なるため、平均CPAも大きく変動します。
平均CPAを把握することで、自社の広告運用が適切かどうかを判断できます。WordStreamの調査によれば、以下のような傾向が見られます。ただし、以下のデータは2016年のものであり、現在の市場状況とは異なる可能性があることをご留意ください。
業界 | 平均CPA(検索広告) | 平均CPA(GDN広告) |
---|---|---|
広告 | $96.55 | $70.69 |
自動車 | $33.52 | $23.68 |
B2B | $116.13 | $130.36 |
消費者向けサービス | $90.70 | $60.48 |
出会い・交際 | $76.76 | $60.23 |
Eコマース | $45.27 | $65.80 |
教育 | $72.70 | $143.36 |
人材 | $48.04 | $59.47 |
金融・保険 | $81.93 | $56.76 |
健康・医療 | $78.09 | $72.58 |
家庭用品 | $87.13 | $116.17 |
工業向けサービス | $79.28 | $51.58 |
法律 | $86.02 | $39.52 |
不動産 | $116.61 | $74.79 |
テクノロジー | $133.52 | $103.60 |
旅行・ホスピタリティ | $44.73 | $99.13 |
参考:WordStream|Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
BtoB企業がリスティング広告で成果を出すポイント
BtoB企業がリスティング広告で成果を出すためには、BtoCとは異なる戦略と運用が求められます。単に広告を配信するだけではなく、ターゲット顧客の特性や購買プロセスを理解し、適切な施策を講じることが重要です。
ここでは、BtoB企業がリスティング広告で成果を出すための重要なポイントを4つに分けて解説していきます。

成果につながるキーワードで出稿する
BtoBリスティング広告では、成果に繋がりやすいキーワードを選定することが重要です。一般消費者向けのキーワードとは異なり、業界特有の専門用語や見込み顧客の課題解決に関するキーワードを選ぶことが重要です。
例えば、「営業支援ツール 導入」や「生産管理システム 比較」など具体的なキーワードを用いましょう。潜在層と顕在層でキーワードを分類し、それぞれに適した広告文を作成することも必要です。
また、競合他社が使用しているキーワードを分析し、自社との差別化を図ることも重要です。詳細なキーワード選定方法については、次の記事をご参照ください。

ターゲットに合わせた配信設定を行う
BtoB企業のリスティング広告では、配信設定が不可欠です。適切なターゲット設定を行うことで、見込み顧客に効率的にアプローチできます。
まず、広告の配信時間をターゲット企業の業務時間内、例えば平日の9時から18時に限定してみましょう。次に、サービス提供エリアや営業可能な地域に絞って広告を配信することで、無駄なクリックを防げます。
さらに、業務中に利用されることが多いデスクトップを優先することで、ビジネスユーザーへのリーチを強化できます。最新のターゲティング手法については、次の記事をご参照ください。

マイクロコンバージョンの設定を行う
BtoBはマイクロコンバージョンを設定することが有効です。BtoCに比べ、購買に至るまでのプロセスが複雑だからです。
例えば、最終的なコンバージョンに至る前に、次のような目標を設定しましょう。
- 特定ページの閲覧
- 資料請求
- 問い合わせ
- セミナー参加
- ホワイトペーパーのダウンロードなど
マイクロコンバージョンを設定することで、顧客の興味やニーズを把握し、フォローアップにつなげられます。
また、マイクロコンバージョンのデータを活用して、見込み顧客の育成やリマーケティング施策を強化することも可能です。
高頻度でPDCAを回す
リスティング広告の効果を最大化するためには、継続的な改善が欠かせません。データ分析に基づき、PDCAサイクルを高頻度で回すことで、広告効果を最大化できます。
具体的には、クリック率やコンバージョン率、費用対効果などの指標を定期的に確認し、キーワードの追加や削除、広告文の改善、ターゲティングの調整などを行います。市場の変化や競合の動向に合わせて、柔軟に戦略を修正していくことが重要です。
BtoB企業がリスティング広告に取り組む際の注意点
BtoBリスティング広告にはさまざまなメリットがありますが、注意すべき点も存在します。注意点を理解せずに運用を進めてしまうと、期待した効果が得られないだけでなく、無駄な広告費を費やしてしまう可能性もあるでしょう。
ここでは、2つの注意点について詳しく解説していきます。

認知拡大の効果は期待できない
リスティング広告は、認知拡大に効果を発揮しにくいという特徴があります。特定のキーワードを検索した際に表示される広告であるためです。
認知度を高めたい場合は、ディスプレイ広告やSNS広告など、幅広いユーザーにリーチできる広告手法が効果的です。広告運用の目的に合わせて、適切な広告媒体を選択しましょう。
運用するには専門的な知識が必要
リスティング広告の効果を最大限に引き出すためには、多岐にわたる専門的な知識とスキルが求められます。専門的な知識とスキルがなければ、広告費の無駄遣いや期待する成果が得られない可能性があるでしょう。
特にBtoBの場合、ターゲット層が絞られている分、より緻密な戦略と運用が求められます。社内に専門知識を持つ人材がいない場合は、広告代理店などの専門家に運用を委託することも検討すべきです。
リスティング広告の運用代理店の活用も検討する
リスティング広告の運用を自社だけで行うことが難しい場合、代理店の活用をおすすめします。豊富な経験と専門知識にもとづいて、広告運用をサポートしてくれます。
代理店はキーワード選定やターゲティング設定、広告文作成、入札管理、効果測定など、リスティング広告運用に必要な作業を代行してくれるため、自社で専門の人材を育成する必要がありません。また、最新のノウハウや市場動向にもとづいた最適な戦略を提案してくれるため、高い広告効果が期待できます。
代理店を選ぶ際には、実績や専門性、コミュニケーション能力などを考慮することが重要です。
特にBtoB企業の場合は、BtoB向けのリスティング広告運用経験が豊富な代理店を選ぶことが望ましいです。
過去の事例や顧客の評価などを確認し、自社のビジネスに合った代理店を選びましょう。


勝てるリスティング広告とは
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【資料の内容】
・リスティング広告の概要
・リスティング出稿候補と媒体の選び方
・リスティング広告のよくある課題と解決方法
まとめ:BtoB企業でもリスティング広告で成果は出せる
外注を成功させるためには、最適な外注先を選定することが重要です。
選定の際には、実績や専門性、コミュニケーション能力などを確認しましょう。
また、適切なコミュニケーションとKPI設定を行い、効果を最大化することが重要です。
「どのような企業に外注すればよいかわからない」とお困りの場合は、ぜひ当社にお任せください。
当社はGoogleをはじめとする大手メディアとパートナーシップを結んでおり、Google推奨の「hagakure」をはじめ、各プラットフォームのアルゴリズム・推奨構造や豊富な運用実績をもとに、お客様に最適な配信設定をご提案いたします。
Lifunextは、Google Partner・Yahoo!セールスパートナーです。大手代理店出身のコンサルタントが多く在籍し、高品質な運用ノウハウを提供することができます。Lifunextの特徴はコンサルタントの評価制度を「顧客の評価」と連動して行っており、真のクライアントファーストなご提案を行える体制を大切にしています。
無料のご相談・無料のWeb広告アカウント診断を実施しているので、お気軽にお問合せください。
\ リスティング広告のご相談はLifunextへ /

2019年に新卒で大手人材会社に入社。
営業として主に新規提案と派遣社員のマネジメントを担当。
2021年にはwebメディアの運営会社に転職し、主にディスプレイ広告の運用を担当。
2024年、Lifunextにジョイン。
現在はWebコンサルタントの中でもBtoC企業を中心とした広告運用と新規案件の提案に従事。