LP構成要素トレンド分析【2026年10月号】|化粧品

同じ「化粧品の公式サイト」でも、トップページで何を売り、どこへ送るかはブランドごとにまったく違います。2026年10月号では化粧品5ブランドの公式オンラインストア・ブランドサイトを、ファーストビュー・価格とオファー・探索導線・出口設計の4観点で分解し、各社が新規客をどう迎えているのかを整理しました。
この記事でわかること
- 化粧品の公式ECでFVが「価格型」と「ブランド型」に分かれる理由
- 新規客の入口を低価格トライアルで作るか、限定キットで作るかの判断材料
- 多ブランド・多SKUのサイトでブランド名検索と肌悩み検索をどう使い分けるか
- オンライン完結型と店舗・サロン送客型で出口の作り方がどう変わるか
01. 化粧品のファーストビュー
同じ公式ECでも、FVを割引の告知に使うか、ブランド広告に使うかで作りがはっきり分かれていました。
この月の傾向
- 公式ECでもFVが「割引・期限の先出し型」と「ブランド広告型」に二極化
- FVはスライダーで複数の新作・キャンペーンを回す構成が自社EC4社で共通
- ロゴ脇にタグライン1行を添え、ブランドの約束をFVで先に伝える
| 観点 | DHC | 資生堂オンラインストア |
|---|---|---|
| 打ち手 | 割引率と期限を一面に出すFV | FVはタレント起用のブランド広告 |
| ねらい | 得の大きさを最初の1画面で確定させ、日用品感覚の層に“今日買う理由”を即座に与える設計 | 値引きではなく世界観で入り、20超のブランドを抱える公式ストアとしての格を先に見せる設計 |
DHC|割引率と期限を一面に出すFV

特徴 「秋のご褒美セール」「薬用Q 50%OFF!」など割引率と期限のバナーをFVに連打
コメント 得の大きさを最初の1画面で確定させ、日用品感覚の層に“今日買う理由”を即座に与える設計
資生堂オンラインストア|FVはタレント起用のブランド広告

特徴 エリクシールの「Vの張力膜。」をタレント起用の全面ビジュアルでFVに据える
コメント 値引きではなく世界観で入り、20超のブランドを抱える公式ストアとしての格を先に見せる設計
02. 化粧品の価格・オファー設計
新規客の入口を、低価格のお試しキットで作るか、数量限定・先行体験のキットで作るかに分かれていました。
この月の傾向
- 初回の入口が「低価格トライアル型」と「限定キット・先行体験型」に分岐
- 送料無料ライン・定期の条件などリスクオフ文言をトップに常設し不安を先回り
- 画面下の追従ポップアップで、新作・特典・トライアルを入れ替えて見せ続ける
| 観点 | ETVOS | POLA |
|---|---|---|
| 打ち手 | 1セット限りの低価格お試し | 数量限定と先行体験で今買わせる |
| ねらい | 肌に合うか不安な敏感肌層に、失敗しても痛くない価格で“まず試す”入口を用意する設計 | 値引きではなく“今しか手に入らない”希少性で動機を作り、ブランド価格を崩さない設計 |
ETVOS|1セット限りの低価格お試し

POLA|数量限定と先行体験で今買わせる

特徴 入場モーダルで「【数量限定】」キットと新作の「先行体験」を提示し、価格は出さない
コメント 値引きではなく“今しか手に入らない”希少性で動機を作り、ブランド価格を崩さない設計
03. 化粧品の回遊・探索導線
商品数が多いサイトほど、ブランド名で探させるか、肌悩みで探させるかの設計がはっきり分かれていました。
この月の傾向
- 探索導線が「ブランド・商品名で探す型」と「肌悩みで探す型」に分岐
- ライン名に「〜が気になる方へ」と対象者を添え、選ぶ迷いを減らす
- ランキングをカテゴリのタブで切替え、売れ筋から詳細ページへ回遊させる
| 観点 | 資生堂オンラインストア | ETVOS |
|---|---|---|
| 打ち手 | ブランド名・商品名で探させる | 肌悩みと対象者で選ばせる |
| ねらい | ブランド指名で来る客が多いからこそ、名前で直行できる入口をFV直下に厚く置く設計 | 商品名を知らない初来訪者でも、自分の悩みから正解のラインにたどり着ける道を用意する設計 |
資生堂オンラインストア|ブランド名・商品名で探させる

特徴 検索窓の直下に「クレ・ド・ポーボーテ」「成分図鑑」など人気キーワードを並べる
コメント ブランド指名で来る客が多いからこそ、名前で直行できる入口をFV直下に厚く置く設計
ETVOS|肌悩みと対象者で選ばせる

特徴 「乾燥や肌荒れが気になる方へ」と対象者を添えたライン紹介と「肌悩みから選ぶ」を配置
コメント 商品名を知らない初来訪者でも、自分の悩みから正解のラインにたどり着ける道を用意する設計
04. 化粧品のCTA・出口設計
オンラインで買い切らせるか、店舗・サロンへ送るかで、ページの出口の作り方がまったく違いました。
この月の傾向
- 出口が「オンライン完結型」と「店舗・サロン送客型」に分かれ、CTAが別物に
- ログインで「あなただけ」のクーポンを示し、会員化と再訪を促す
- 代引き・コンビニ受取・電話注文などネット不慣れ層の出口も残している
| 観点 | DHC | MENARD |
|---|---|---|
| 打ち手 | 支払い・送料の不安を先に消す | 買わせずサロン体験へ送る |
| ねらい | 支払い・送料・還元の不安をまとめて先に消し、ネットに不慣れな層もオンラインで買い切らせる設計 | サイトを売り場ではなく来店の入口と位置づけ、体験と対面接客で購入につなげる設計 |
DHC|支払い・送料の不安を先に消す

特徴 「当社が送料を負担いたします」「代金引換払い 手数料無料」などの特典を一覧化
コメント 支払い・送料・還元の不安をまとめて先に消し、ネットに不慣れな層もオンラインで買い切らせる設計
MENARD|買わせずサロン体験へ送る

特徴 購入ボタンを置かず「フェイシャルサロン」と「メナードのお店を探す」を大きなバナーで並べる
コメント サイトを売り場ではなく来店の入口と位置づけ、体験と対面接客で購入につなげる設計
まとめ
- FVは「割引率・期限を先出しする価格型」と「タレント広告で世界観を見せるブランド型」に二極化している
- 初回の入口は、低価格トライアルで作る型と、数量限定・先行体験キットで作る型に分かれる
- 多ブランド・多SKUのサイトほど、ブランド名で探させるか、肌悩みで探させるかの設計差が大きい
- オンラインで買い切らせるか、店舗・サロンへ送るかで、CTAの中身そのものが別物になっている
前号までのトレンドは2026年9月号(傘・日傘EC)と2026年8月号(ハウスクリーニング)で分析しています。
よくある質問
化粧品LPのファーストビューには割引を載せるべきですか?
ターゲット次第です。今回の調査では、DHCが割引率と期限をFV一面に出して日用品感覚の層を即決させる一方、資生堂はタレント起用のブランド広告をFVに据え、値引きではなく世界観で入っていました。価格で選ぶ層か、ブランドで選ぶ層かを先に決めることが重要です。
化粧品の新規獲得で、トライアルと限定キットはどう使い分けますか?
肌に合うか不安な層には低価格トライアルが効きます。ETVOSは「お一人様1セット限り」の980円/1,980円キットを常設していました。一方、ブランド価格を守りたい場合は、POLAのように数量限定キットや新作の先行体験で“今買う理由”を作る方法があります。
商品数の多い化粧品ECでは、どんな探索導線を用意すべきですか?
指名で来る客と、悩みから探す客の両方を受けることです。資生堂は検索窓と人気キーワードでブランド名・商品名から直行させ、ETVOSは「肌悩みから選ぶ」8分類と「〜が気になる方へ」を添えたライン紹介で、商品名を知らない人を正解に導いていました。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査日 | 2026年9月28日 |
| 調査対象 | 化粧品5ブランドの公式オンラインストア・ブランドサイト(POLA / 資生堂オンラインストア / ETVOS / MENARD / DHC)。日本ロレアルのサイトも閲覧したが、購入導線を持たない企業サイトのため比較対象から除外 |
| 調査方法 | 各サイトをスマートフォン幅(390px)とPC幅(1440px)で実閲覧し、ファーストビュー・中盤・CTA手前を含む複数のスクロール位置をキャプチャ。初回訪問者の見え方を確認するため、閲覧履歴のない状態で取得。掲載文言は原文のまま引用 |
| 調査・執筆 | 株式会社Lifunext コンサルティング部 |
分析対象LP一覧

2014年株式会社セプテーニの子会社に入社後、 Yahoo!、Googleのリスティング広告、ディスプレイ広告の運用者として従事。その後、株式会社ジオコードに入社し、DSP、SNSの運用コンサルとして従事。BtoB、人材、食品、ECなどのプロモーションを経験。研究者としての経歴がありデータ分析が得意で、高速でPDCAを回して短期間で改善することが得意。スタートアップや少額スタートのクライアントの売上拡大にも広く貢献。
現在はAI推進部署にてこれまでの知見を活かし、AIによる分析・改善提案の自動化など広告運用の効率化・高度化を実現するツール開発に従事している。





