インストリーム広告とは?メリットや注意点、成果を上げるためのコツを解説

インストリーム広告はブランドの認知や商品のプロモーションに効果的な広告です。動画内で自然に表示されるため、広告を視聴する確率が高く、視覚と聴覚の両方に訴えることができます。
本記事では、インストリーム広告の種類や配信方法、活かすポイントなどを詳しく解説します。
インストリーム広告とは
インストリーム広告は、オンライン動画の再生中に表示される広告の形式です。動画の冒頭、途中、再生終了後に挿入されることが多く、視聴者が自然な流れで目にすることができます。
動画コンテンツに組み込まれるため、広告が視聴者の興味を引きやすく、視聴完了率が高いという特徴があります。
インストリーム広告の配信が可能な媒体
インストリーム広告の配信が可能な媒体は主に次のとおりです。
- YouTube
- TikTok
また、インストリーム広告は視聴者の行動データや興味に基づいたターゲティング広告が可能です。スマホやパソコンなど、さまざまなデバイスで視聴できる点も特徴です。

インストリーム広告のメリット
インストリーム広告はブランド認知や商品のプロモーションに効果的な手法として広く利用されています。
ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。
費用対効果が高い
インストリーム広告は興味のないユーザーに費用をかけずに済み、効率的に予算を活用できます。例えば、スキップ可能なインストリーム広告は、ユーザーが広告を30秒以上視聴した場合やリンクをクリックした場合にのみ課金される仕組みです。
さらに、視覚と聴覚の両方に訴えることができるため、他の広告形式に比べて印象に残りやすく、エンゲージメントやコンバージョンにつながりやすいのも特長です。
ターゲティング精度が高い
インストリーム広告では、ターゲットを細かく絞り込むことができます。年齢や性別、居住地、興味・関心など、ユーザーの属性を細かく設定できるため、商品やサービスに関心がありそうな人にピンポイントで広告を届けることが可能です。
たとえば、YouTubeでは、ユーザーの視聴履歴や検索履歴に基づいてターゲティングを行えます。
視認性が高く、認知向上に効果的
インストリーム広告は動画再生のタイミングで必ず表示されるため、視聴者の目に触れる機会が多く、メッセージをしっかり届けることができます。特に、スキップ不可の広告や短いバンパー広告(6秒以内の動画広告)は、視聴者が広告をスキップできないため、確実に視聴してもらえる仕組みです。
広告に「行動を促すボタン」や「リンク」を加えることで、視聴者がその場で商品を購入したりWebサイトを訪問したりと、具体的なアクションのきっかけを作ることもできます。

インストリーム広告の種類
インストリーム広告には、3つの種類があります。
- スキッパブル広告
- ノンスキッパブル広告
- バンパー広告
それぞれ特性や効果が異なります。詳しく解説します。
スキッパブル広告
スキッパブル広告は、視聴者が5秒間視聴した後にスキップできる広告形式です。広告の長さは最大6分までですが、一般的には15秒から180秒程度が用いられます。
スキッパブル広告の特徴は、広告の再生が一定条件を満たさない限り、費用を支払う必要がないという点です。視聴者が30秒以上視聴するか、広告内のリンクをクリックした場合にのみ課金されるため、無駄なコストを抑えることができます。
一方で、スキッパブル広告は短時間で視聴者の興味を引かなければなりません。そのため、視覚的に魅力的でメッセージ性の高いクリエイティブ制作が求められます。
ノンスキッパブル広告
ノンスキッパブル広告は、視聴者が広告をスキップできない形式で、動画の再生前や再生中、再生後に表示されます。広告の長さは通常15秒以内に制限されており、視聴者は広告を最後まで視聴しなければなりません。
ノンスキッパブル広告のメリットは、メッセージを確実に視聴者に伝えられることです。そのため、ブランドの認知度を高めたい場合や、特定のキャンペーンを訴求したい場合に適しています。
しかし、スキッパブル広告は強制的に広告を視聴させる性質上、興味のない視聴者に対しては不満や抵抗感を与える可能性があります。広告の内容や質が視聴者にとって魅力的であることが非常に重要です。
バンパー広告
バンパー広告は6秒以下の短い動画広告で、スキップができない形式です。視聴者に短時間で強い印象を与えることを目的としており、ブランド認知の向上や新商品の告知などに最適です。
バンパー広告は短い時間の中で内容を伝えるため、シンプルな内容が求められます。視聴者に負担を感じさせることなく、広告を見てもらえる点がバンパー広告の強みです。
ただ、短さゆえに情報を詳細に伝えることが難しく、広告の内容を簡潔かつ効果的にまとめる能力が求められます。視覚的にインパクトのあるデザインや覚えやすいキャッチコピーが成功の鍵といえるでしょう。

インストリーム広告が配信されるタイミング
インストリーム広告が配信されるタイミングは主に3つあります。
- プレロール
- ミッドロール
- ポストロール
それぞれのタイミングごとに詳しく解説していきます。
プレロール
プレロール広告は、視聴者が動画本編を再生する直前に表示される広告です。まだ本編を視聴していない状態であり、必ず広告を見てもらえます。視聴者全員へ確実にリーチできるため、ブランドや商品の認知度を高めることに適しています。
一方、視聴者が不満を感じることがあるため、ターゲットに合わせた適切なコンテンツ作りが重要です。スキップされる可能性がある場合には、広告の核となるメッセージを最初に配置し、短い時間で効果を発揮する構成が求められます。
ミッドロール
ミッドロール広告は、動画本編の途中に挿入される広告です。長尺の動画に使用され、視聴者が集中しているタイミングで表示されるため、注目されやすいという特性があります。商品の購入やサービスの利用といったコンバージョンにつなげるのに適しています。
ただし、ミッドロール広告は動画視聴の流れを中断する形になるため、不快感を与えかねません。テテマーチ株式会社によると、不快に感じるタイミングとして「動画の途中」が圧倒的な1位です。

YouTubeにおける不快な動画広告・好印象な動画広告【学生トレンド研究室 LOUPE(ルーペ)調べ】
視聴者の気分を損なわないよう、広告の挿入タイミングや内容は慎重に設計する必要があります。
ポストロール
ポストロール広告は、視聴者が動画本編を最後まで視聴した後に表示される広告です。すでに動画本編を楽しんでいるため、不快感を与えにくく、穏やかな印象を与える広告が適しています。
ポストロール広告はほかの形式に比べて視聴者の受け入れ度が高い一方で、動画視聴の終了とともに離脱する視聴者もいるため、確実に全員に届けられるわけではありません。
インストリーム広告の課金形態
インストリーム広告の課金形態には、CPV課金とCPM課金があります。それぞれ詳しく解説します。

CPV課金
CPV(Cost Per View)課金は、視聴単価で課金される形式です。視聴者が広告を30秒以上見た場合や、30秒未満でも最後まで視聴した場合に課金されます。スキッパブル広告に多く用いられています。
CPV課金の大きなメリットは、一定時間以上見た場合にのみ料金が発生するため、無駄な広告費を削減できる点です。また、広告を最後まで見てくれると、ブランドや商品の情報がしっかり伝わるため、エンゲージメントが高まりやすいというメリットもあります。
ただし、視聴者が広告をスキップするリスクがあるため、全員にメッセージが届かない可能性も考慮しなければなりません。また、視聴者の興味を引くために、高品質な広告を制作する必要があります。
CPM課金
CPM(Cost Per Mille)課金は、広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する形式です。インプレッション課金とも呼ばれ、バンパー広告のように強く印象を与えるタイプの広告に使われます。広告の表示回数に基づくため、認知度を広めることに効果的です。
CPM課金のメリットは、広告が多くの視聴者に届くという点です。予算に応じた広告配信がしやすく、コストパフォーマンスが計算しやすくなります。また、広範囲に広告を展開できるため、ターゲットとなる視聴者に効果的にアプローチすることが可能です。
CPM課金のデメリットは、視聴者が実際に広告を見たかどうかに関係なく、1,000回の表示ごとに料金が発生する点です。視聴者の関心が低い場合でも広告費がかかる可能性があります。
インストリーム広告を出す方法(YouTubeの場合)
YouTubeの場合、インストリーム広告を出す方法は次のとおりです。
①Google広告でキャンペーンを作成
②キャンペーンの基本設定
③広告グループの作成
④広告を作成
⑤キャンペーン配信開始
それぞれのステップを詳しく解説します。
①Google広告でキャンペーンを作成
まず、Google広告アカウントにログインし、ダッシュボードから「キャンペーン」を選択します。
次に、「+新しいキャンペーンを作成」をクリックし、キャンペーンの目標を選択しましょう。目標には「販売促進」「リード獲得」「ウェブサイトのトラフィック」などがあります。

目標を選択したあと、キャンペーンのタイプとして「動画」を選びます。
②キャンペーンの基本設定

キャンペーンの基本設定では、キャンペーン名や予算、入札戦略、広告の配信スケジュールなどを設定します。
③広告グループの作成

広告グループは、ターゲットとなるオーディエンスや広告の設定をまとめる単位です。広告グループを作成する際には、ターゲットとなるユーザーの属性(年齢、性別、地域など)や興味・関心を設定します。
特定のキーワードやトピック、YouTubeチャンネルなどをターゲットとして指定することも可能です。
④広告を作成
広告グループの設定が完了したら、実際の広告を作成します。

動画をアップロードしたら、広告の見出しや説明文、最終ページURL(広告をクリックした際に遷移するページのURL)などを設定します。
⑤キャンペーン配信開始
広告の作成が完了したら、設定内容を確認し、問題がなければキャンペーンの配信を開始します。
配信開始後は、必要に応じてGoogle広告の管理画面で設定の調整や最適化を行います。広告の効果を最大化するためには、定期的な分析と改善が欠かせません。

インストリーム広告で成果を出すためのポイント
インストリーム広告で成果を上げるためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。ここでは3つのポイントを紹介します。
最初の数秒で興味が引けるクリエイティブを制作する
インストリーム広告では、最初の数秒で視聴者の関心を引くことが非常に重要です。特に、スキッパブル広告の場合、視聴者は数秒後に広告をスキップできるため、冒頭で興味を惹かなければなりません。
具体的には、ターゲットとなる視聴者層の興味や関心に合わせた内容にし、注意を即座に引きつける工夫が求められます。
ターゲティングの精度を高める
インストリーム広告の効果を最大化するためには、ターゲティングの精度を高めることが不可欠です。YouTubeなどのプラットフォームでは、年齢や性別、興味・関心、視聴履歴など、さまざまなデータをもとにターゲティングを設定できます。
さらに、リターゲティング機能を活用して、過去に自社のWebサイトを訪問したユーザーや特定のアクションを起こしたユーザーに再度広告を表示することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
効果検証しPDCAを回し続ける
広告キャンペーンを実施したあとは、効果検証を行い、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。具体的には、視聴回数やクリック率、コンバージョン率などのKPI(重要業績評価指標)を設定し、分析します。
分析結果をもとに広告クリエイティブやターゲティング設定を改善し、次回のキャンペーンに活かしましょう。また、A/Bテストを実施して複数の広告パターンを比較し、最も効果的なものを特定することも有効です。

インストリーム広告の注意点
インストリーム広告を効果的に活用するためには、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。ここでは2つの注意点を紹介します。
視聴者にとってストレスになる可能性がある
インストリーム広告は動画の視聴を中断するため、適切に配慮しないとストレスを与える可能性があります。特に、スキッパブル広告の場合、最初の数秒で視聴者の興味を引かなければなりません。
テテマーチ株式会社の調査によれば、約8割の人が内容を確認せずにスキップしていることが示されています。

YouTubeにおける不快な動画広告・好印象な動画広告【学生トレンド研究室 LOUPE(ルーペ)調べ】
ノンスキッパブル広告でも、視聴者が強制的に広告を視聴しなければならないため、嫌悪感を抱かせる可能性があります。視聴者の体験を損なわないよう、広告の内容や配信頻度、長さなどに配慮しましょう。
動画クリエイティブ制作の負担が大きくなる可能性がある
効果的な広告を制作するには、専門的な知識と技術が必要となり、制作負担が増す可能性があります。YouTubeインストリーム広告の制作費用は、安くて3万円程度から、高いと100万円以上かかるケースも少なくありません。
広告の目的やターゲットに応じて、複数のバリエーションを制作する場合もあります。

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まとめ:インストリーム広告を活用し、最初の5秒でターゲットの心をつかむ
インストリーム広告は、動画の中で視聴者に自然に配信できる広告です。ただ、広告の内容や配信の仕方によっては、かえって不快感を与えてしまうおそれがあります。視聴者の関心を引くためには、最初の数秒で強い印象を与え、ターゲティングを精密に行うことが重要です。
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2019年に新卒で大手人材会社に入社。
営業として主に新規提案と派遣社員のマネジメントを担当。
2021年にはwebメディアの運営会社に転職し、主にディスプレイ広告の運用を担当。
2024年、Lifunextにジョイン。
現在はWebコンサルタントの中でもBtoC企業を中心とした広告運用と新規案件の提案に従事。