ペルソナとは?意味や設定の方法を徹底解説

Webマーケティングに携わる方であれば、「ペルソナ(persona)」という言葉を耳にしたことのある方が多いのではないでしょうか。ペルソナは、自社が提供するサービスや商品のユーザー像を具体化することで、マーケティングを最大限に活かすための概念を意味します。マーケティングに大変重要なキーワードですが、何となくは知っているものの、あまり理解していないという人も少なくありません。
そこで当記事では、「ペルソナ」の意味やメリット、設定する際の注意点について詳しく紹介していきます。混同されがちな「ターゲット」との違いも解説するため、「ペルソナを正しく活用したい」という人はぜひ参考にしてください。
ペルソナとは
ペルソナとは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことです。実際に存在する人物ではなく、自社サービスに合わせた架空のユーザー像を作ることが求められます。ペルソナで設定されるユーザー像は、実在している人物かのように事細かに設定されることが特徴です。年齢や性別だけでなく、職業や居住地・年収・趣味などさまざまな項目が存在します。
商品やサービスのターゲットが上手く定まっていない場合、ユーザーニーズにがバラつきが生じて、結果として効果的なマーケティング活動がができない可能性があります。そこで活用されるのが「ペルソナ」なのです。
ペルソナは、架空の顧客像やユーザーモデルとして、様々なマーケティングの場で活用されています。
ペルソナとターゲットの違いは?ターゲットだけでは足りない
ペルソナによく似ている言葉として「ターゲット」があります。実際に、ペルソナとターゲットが混同している人も少なくないでしょう。ユーザー像を設定するという点ではどちらも同じ目的ですが、どの程度まで詳細に設定するのかで結果が異なります。
ターゲットという観点では「40代の女性」といったようにユーザー層を抽象的に幅広くまとめるのに対し、ペルソナでは「東京都在住、健康や美容に興味がある43歳の主婦」など、詳細かつリアルに具体的な人物像を設定します。そのほかにもより詳細に職業や勤務先など、多くの情報を入れ込むこともあります。
ペルソナを設定することで、ターゲットでは補えないレベルでマーケティング精度を高められる可能性があります。様々なデータや情報をもとに設定されるペルソナは、結果的に多くのユーザーのニーズを満たすことに繋がります。
ペルソナを設定する意味とメリット
プロジェクトの進行にあたって、ただペルソナを設定するだけでは意味がありません。ペルソナを設定する理由は、ターゲットをより明確かつ具体化して、商品やサービスの施策効果を高めるために設定します。これにより、効果的かつ効率よくプロジェクトが進行できるようになるのです。
ペルソナを設定することで、その具体化した人物像のニーズを満たす商品を開発し、販売戦略を組み立てることを「ペルソナマーケティング」と言います。マーケティングにおいて顧客満足度を高めることは当然のことですが、ペルソナマーケティングでは、具体的な人物を作り上げることでより明確なアイデアを出しやすくなります。
またコンセプトに一貫性を持たせることが容易になるために、スタッフの意識共有がしやすいといったメリットもあります。「この人物のライフスタイルを考えると、きっとこんな商品が欲しいはず!」と具体的にイメージしながらマーケティング活動を進めて行ける。それがペルソナマーケティングの基本であり、最大のメリットなのです。
幅広く大まかなターゲットでしか設定していない場合、担当者や社員によって異なるイメージを持ってしまうこともあるでしょう。サービスや商品の細分化が進む現代では、企業内でプロダクトマネジメントのズレをなくすためにも、ペルソナの設定は不可欠です。
以下では、ペルソナを設定す具体的なメリットを解説します。
- 組織内での共通認識形成による施策効果が高まる
ペルソナで設定された人物像を共通認識形成することで、より施策の効果が高められることがメリットのひとつです。
昨今では様々なデバイスやサービスが増えており、ユーザーとのタッチポイントが多様化しております。 これまでのペルソナの考え方ではすべてのケースを想定しきれないというのも一つ問題としてあげられるでしょう。 そのため、従来のペルソナより一層細かい設定をしていくことが時代の変化とともに必要となってくると考えられるでしょう。
プロジェクトはひとりで進行するものではなく、必ずチームや組織が存在します。多数の人が携わる中で、サービスの課題やユーザーのニーズなど、全員の方向性を共通で確認することが大切です。
共通認識を形成して正しく商品・サービスの方向性を伝えられることで、効果的な施策が実行できるでしょう。
具体的な商品開発やマーケティング活動においては、性別や年齢が異なる様々な人間が関わります。その中では、当然のことながら各個人の製品に対する考え方やイメージも変わってきます。そんな意識の共有ができていない状態のままでマーケティング活動を進めると、それぞれスタッフの間でイメージする人物像にもバラツキが出て、どんどんターゲットが曖昧になります。
ターゲットイメージが曖昧な状態では、効果的なマーケティングは難しくなります。また、ターゲットを具体化できていなければ、結果的としてユーザーを満足させるサービスや商品を生み出せない可能性も高まります。そこで必要なのが、人物像を具体化する「ペルソナ」なのです。
- 確認や修正の時間、工数が削減される
ペルソナを設定することは、スムーズな意思の疎通やプロジェクトを進行をするためにも重要な施策となります。
製品に関わるプロジェクトが大きければ大きいほど、制作やマーケティングに関わる人数も多くなります。そこで明確なユーザー像が定まっていないと、組織内での方向性や意見が異なり、プロジェクト自体が上手くまとまらない可能性もあります。
また、プロジェクトを進行するにあたっては担当者間や組織内での認識にズレが生じるることで、修正や工数などの時間や費用も増えてしまいます。
そこでペルソナを作成することによって、プロジェクトの方向性がより明確になり、効果的かつ効率の良いプロジェクトの進行が可能になるのです。
ペルソナ設定に必要な項目
実際にペルソナを作るには、細かな項目を作成する必要があります。組織によって異なりますが、ペルソナ設定に必要となる主な項目は以下の通りです。
・氏名
・性別
・年齢、生年月日
・出身地、居住地
・現在の職業や職歴
・収入と支出
・預金額
・職種
・役職
・価値観、肩書き
・家族構成
・趣味や生活パターンなど
またこれらの情報に加え、この人物が日々どのように働きながら、日々の生活で興味を持っていることや趣味の活動、好みの本や雑誌、悩み事など、より具体的な生活イメージをしてみると良いでしょう。すでにペルソナを設定しているという場合でも、なにか欠けている情報がないか、もっと深く掘り下げてみることをおすすめします。
ペルソナ設定時に注意する項目
ペルソナを設定するにあたっては、ただ単に制作側の願望や理想を詰め込むべきではありません。
ここからは、実際にペルソナを作成する前に、注意すべき項目について解説します。
- 憶測で決めない
ペルソナを作成するうえでは、憶測や思い込みでイメージを決めないように注意が必要です。それは担当者ごとにまったく異なるイメージを持っていることもあるため、誰もが納得できるペルソナを設定するようにします。
幅広くターゲットを設定してしまうとペルソナのイメージが曖昧になり、訴求力が弱くなる可能性もあるため注意が必要です。また、データをもとに実際に存在する身近な人物を参考にするのも良い方法です。
- できるだけ顧客から得られた一次情報を元にする
ペルソナを設定する場合は、まずは顧客から得たデータや情報をもとにしましょう。
「こうであったらいいな」など、自社にとって都合のよいユーザー像を設定したとしても、実際のユーザーのニーズとは異なる可能性があります。その結果、マーケティングの効果が望めなくなってしまっては本末転倒です。
一次情報やデータを確認しつつ、あくまで客観的にペルソナを設定するようにしましょう。事前にアンケートを実施したり、顧客にヒアリングするなどの情報収集をすることもおすすめです。
ペルソナは結果に応じて更新しましょう
ペルソナは、客観的な数値やデータをもとに設定したとしても、実際のニーズと異なり結果が出ない可能性があります。
特に流行やプロダクトライフサイクルの短いサービスや商品では、その移り変わりが流動的になりがちです。
そのため、商品やサービスの売り上げ動向や結果に応じて情報を更新するなど、ペルソナを定期的にブラッシュアップすることが大切です。
- ペルソナは設定してそのままにしない
ペルソナは、実際に存在する人物像をイメージして設定しています。そのため、社会や時代の流れによって、ユーザーの環境も変化することを頭に入れておきましょう。
例えば、ガラケーからスマートフォンへ移行するなどの変化に応じて、ペルソナが変わった商品やサービスも存在するでしょう。数年前に設定したペルソナは、現在にも通用するとは限りません。
ペルソナを設定したからといって満足するのではなく、しっかりとペルソナを活かしたマーケティングを継続して、定期的な更新を怠ることがないようにしましょう。
- 施策結果に応じて随時チームで変更しましょう
ペルソナは、施策結果に応じて随時変更することが大切です。既にプロジェクトが進行していたとしても、ペルソナにズレがあると感じたら、その度にチームで変更する柔軟性が大切です。
変更や修正をする場合は、必ずチーム全体で話し合いながら認識をすり合わせるようにしましょう。
定期的に作成・修正するのもよいですが、ペルソナを2~3パターン作成しておいて随時ピックアップして更新するのもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?このようにペルソナは、より詳細かつリアルなユーザー像を設定するマーケティングの手段と言えます。
ここでは、ペルソナの基本的な意味と重要性について解説してきました。ユーザーニーズの多様化と細分化が進む現代では、マーケティング活動の成功のためにユーザーニーズをより的確に掴むことが重要となります。そこで具体的なユーザーをイメージしたペルソナを設定することで、その周りにいるさらに多くのユーザーを獲得できる可能性が生まれるのです。
ペルソナ設定は簡単なものではありませんが、ユーザーニーズが複雑化・曖昧化している今、ぜひ活用したいものです。
マーケティングの施策に活かせるペルソナを設定し、社会や環境の変化ごとに定期的にブラッシュアップしましょう。
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大学卒業後入社したセプテーニで営業・コンサルタント経験したのち、戦略立案チームを発足。プロジェクトのデータ活用・アドテク活用の社内促進を行い、SearchAds360のアジアNo.1成績を樹立。その後、AdRoll株式会社の日本オフィス立ち上げに参画。代理店マネージャーとして、世界No.1の営業成績を樹立。2017年4月、データ活用を軸としたデジタルマーケティング支援を行うため、株式会社Lifunextを設立。