リスティング広告のインテントマッチ(旧:部分一致)とは?フレーズ一致との違いやメリットを紹介

リスティング広告の インテントマッチ(旧:部分一致)とは?フレーズ一致との違いやメリットを紹介

本記事ではリスティング広告のインテントマッチについて解説します。ユーザーは目的の商品やサービスを様々なキーワードで検索するため、その検索結果について幅を持たせられるインテントマッチは効果的です。活用する上でのポイントを把握し、自社の広告運用に役立てましょう。

目次

リスティング広告のインテントマッチ(旧:部分一致)とは

リスティング広告における「インテントマッチ(旧:部分一致)」は指定したキーワードのみならず、類義語や関連語句についても広告を表示するキーワード設定です。ここでは、リスティング広告におけるインテントマッチについて解説します。

※2024年7月から「部分一致」から「インテントマッチ」に名称が変更されました

出典:Google広告ヘルプ|キーワードのマッチタイプについて

キーワードを含まない語句にも適用

インテントマッチはキーワードを含まない場合にも適用される設定です。
例えば、インテントマッチのキーワードにおいて「東京 飲食店」と設定したことを仮定してみましょう。この場合、検索語句が「港区 カフェ」「八王子 レストラン」などといったキーワードにおいても広告が反映されます。

港区や八王子は東京に含まれるため、またカフェやレストランは飲食店に含まれるため類義語や関連語句と判断され、自社の広告を配信できます。

インテントマッチのキーワードが「東京  飲食店」の場合

ユーザーの検索クエリインテントマッチの適用
港区 ランチ
八王子市 レストラン 子連れ
東京都 飲食店 デート
横浜 飲食店?(東京ではないため)
東京 遊び?(飲食店ではないため)

キーワードを含まない近しい語句についても反映されますが、明らかに外れるキーワードは除外されます。

語順に関係なく適用

インテントマッチの特徴として、語順に関係なく適用されるしくみがあります。
例えば、上記の「東京 飲食店」の場合は「飲食店 東京」でも広告が表示されます。そのため、ユーザーの検索順位を問わず広い範囲で広告配信が可能です。

インテントマッチのキーワードが「東京  飲食店」の場合

検索クエリインテントマッチの適用
飲食店 東京
子連れ 都内 飲食店
都内 レストラン
東京 病院?(飲食店でないため)
ディナー 千葉?(東京ではないため)

インテントマッチは上記2つの特徴から、コンバージョン(CV)に繋がる新しいキーワードの発見や、ユーザーニーズの発見に繋がるといえます。

その他のマッチタイプ設定との違い

ここからはインテントマッチと比較される機会が多い「完全一致」「フレーズ一致」について解説します。各マッチタイプ設定において適した商材やユーザーが異なります。

完全一致との違い

完全一致の場合は設定したキーワード以外のものが含まれると広告の配信対象外になります。そのため、完全一致はユーザーを絞り込み広告配信が行えるメリットを持ちます。自社が想定するユーザーのみに広告を配信しコンバージョンにつなげられるため、効率が良い手法といえるでしょう。

ただし、登録されたキーワードと検索クエリ(読者が入力するキーワード)がほぼ一致している必要があるため、拡張性は低いというデメリットもあります。

例えば、完全一致とインテントマッチにおいて、登録キーワードが「東京 パーソナルジム」の場合は下記の違いが見られます。

キーワードが「東京 パーソナルジム」の場合

検索クエリ      完全一致インテントマッチ
東京 パーソナルジム
江東区 パーソナルジム
東京 フィットネス

完全一致ではインテントマッチで含まれている関連キーワードや類似語句が除外されます。そのため、より詳細なユーザーの設定が行えます。汎用的でない限定したサービスにおいて完全一致は効果を発揮するでしょう。

フレーズ一致との違い

フレーズ一致はインテントマッチと比較し、ややユーザー限定して広告を配信できます。自社で登録したキーワードと同じ文字列が含まれており、かつ同じ意味合いを持つ場合に広告を配信します。

なお、インテントマッチにおいてはキーワードがまったく異なるものでも関連性があると判断されると広告配信対象になります。そのため、ユーザーの意図を満たさないタイミングで広告が配信される可能性があるでしょう。一方で、フレーズ一致の場合は意味合いが基準に含まれるため、より近しいユーザーへのアプローチが可能です。

具体的な例として、登録キーワードが「東京 パーソナルジム」の場合は下記のイメージです。

キーワードが「東京 パーソナルジム」の場合

検索クエリ     フレーズ一致インテントマッチ
パーソナルジム  東京
江東区 パーソナルジム
フィットネス 東京以外 関東

フレーズ一致では、インテントマッチで含まれるキーワードの中でも「明らかにユーザーの意図に満たないものは除外される」と理解しましょう。

フレーズ一致の詳細は、こちらの記事でも解説しています。

Google広告のフレーズ一致とは?メリットを徹底解説

インテントマッチを活用するメリット

インテントマッチ活用のメリットは「新しいキーワードを発見できる点」です。広告配信を行う場合、ユーザーがどのようなキーワードを検索するかを想定し選定していきます。しかし、実際に配信すると想定したキーワードで検索するユーザーが少なく、思ったより効果が見込めないこともあるでしょう。

インテントマッチを設定することで自社の予想から漏れたキーワードを把握できたり、そこからニーズを発見できたりする可能性があります。自社で予想し得なかったキーワードがあった場合は広告文にもその要素を反映し、新たに打ち出していくと改善効果が期待できます。

インテントマッチを活用する際の懸念点

インテントマッチの懸念点としては、予算の調整が難しいことが挙げられます。インテントマッチの場合、自社が予期していなかった類似語や関連キーワードにも広告が配信されるため、すぐに予算を消費してしまう可能性があるでしょう。

例えば、美容アイテムを扱う企業が「オイル」をインテントマッチで登録していると美容のオイルだけでなく車のエンジンオイルで広告が追加配信されてしまう可能性があります。そのため、インテントマッチでキーワードを設定する場合は、自社と関連性の高いキーワードに絞り込み設定が必要です。

リスティング広告でインテントマッチがおすすめのケース

ここからはリスティング広告において、インテントマッチのメリット・デメリットを踏まえた上でおすすめのケースを3つ紹介します。自社の取り組み内容に合わせてインテントマッチを選択しましょう。

広告配信を初めて実施し検索におけるデータが不十分な場合

検索におけるマーケティングデータが不足している場合は、インテントマッチが適しています。初めての場合、キーワード周辺へのノウハウが蓄積されていないことから、インテントマッチを活用しユーザーのニーズや検索クエリを絞り込んでいく方法が良いでしょう。配信するキーワードを決定するには一定期間を要するため、リサーチに時間をかけられない場合にも適しています。

扱うサービスや商品の言い回しが複数ある場合

自社が扱うサービスや商品の言い回しが複数ある場合にもインテントマッチがおすすめです。
アパレル関係やコスメ関連の場合、一つの商品を複数の名称で表します。

例えば、アパレルにおいては「ボトムス」というとスカートやパンツなど、様々なアイテムを指します。ユーザーは自分が欲しい特定のアイテムに絞りキーワードを入力するため、インテントマッチを設定しておくと多くのシーンで広告配信が可能でしょう。

自動運用を実施する場合

広告配信で自動運用を利用する際もインテントマッチが効果的です。リスティング広告における自動化は、各種設定やキーワード選定、予算の配分などをすべて自動で行い、工数を削減できます。特に、キーワードの選定は時間を要するため自動化が効果的でしょう。

今はインテントマッチでもアップデートがあり、インテントマッチのみでシグナルを加味して入札してくれる点も、リスティング広告に適しているポイントです。自動運用をはじめて実施するのであれば、まずインテントマッチで広くユーザーを把握し、効果測定で期待した数値を得られなかった場合に少しずつキーワードを絞っていく方法が良いでしょう。

インテントマッチを活用する上でのポイント    

ここではインテントマッチ活用におけるポイントを3つ紹介します。インテントマッチの効果を最大限に発揮するため、下記のポイントを意識しましょう。

・除外キーワードの設定
・設定キーワードの精査
・広告費の消化スピードの確認

除外キーワードの設定

インテントマッチf設定をする場合、除外キーワードを必ず設定しましょう。下記に当てはまるキーワードは予算を必要以上に消費し、コンバージョンに繋がりにくい特徴があります。

・ユーザーの検索意図とかけ離れている
・自社商品やサービスに関連していない
・費用対効果が見込めない

広告運用を行う中で関連性が低く効果が見込めないキーワードが出ているのであれば、除外キーワードとして追加しましょう。除外キーワードを適切に設定すると、自社に関連しないユーザーの広告クリックを避けられます。

設定する語句は精査

キーワードと合わせて設定するキーワードは精査します。狙うユーザーに対して的確に広告配信できるよう、ターゲット設定を明確にした上でキーワードを選定しましょう。

 例えば、配信したい年齢や地域を設定すると、自社に関連するユーザーに広告を配信できます。

具体的には、関西で展開する旅行会社の場合「旅行会社 おすすめ」と検索すると関西エリアだけでなく関東や東海など、日本全国のエリアが該当します。しかし、ここでエリア名を「関西」「大阪」などと限定すると、よりユーザーに近い形で広告表示が可能です。

この際に除外キーワードに「関東」「東京」などを設定するとより効果が見込めるでしょう。なお、キーワードを選定する場合は自社の商品やサービスからイメージされるものを手動でピックアップしていく方法だけでなく、Googleキーワードプランナーをはじめとしたツールの活用もおすすめです。効率的に適切なキーワードをピックアップ可能です。

広告費の消化スピードを確認しながらキーワード設定

インテントマッチにおけるデメリットは広い範囲に広告が配信され、予算を早く消費してしまう点です。不必要な消費を防ぐために、広告費の消化スピードを確認しながらキーワード設定を改善しましょう。なお、自動運用を行っている場合においても、完全に任せるのでなく定期的にアルゴリズムの確認を行い修正や改善が必要です。

広告費の消化スピードについては判断が難しい可能性があるため、専門家のサポートを受ける方法も検討しましょう。

リスティング広告のインテントマッチ設定は自動化したい企業におすすめ

リスティング広告におけるインテントマッチはユーザーニーズを広く把握できるため、検索におけるマーケティングデータが不足している場合や自動化する場合に適しています。しかし、はじめての場合はリスティング広告の設定そのもので躓いたり、キーワードの選定が行えなかったり多くの悩みが浮かびます。また、除外や精査に想定以上のコストを使ってしまうケースもあるでしょう。

インテントマッチの活用はリスティング広告において重要な役割がありますが、知識を持ったうえでメンテナンスできない場合は、リスティング広告を専門に扱う企業への相談がおすすめです。

プロに相談すると広告配信のキーワード設定やユーザーニーズの把握、広告文の適正化など幅広い範囲をサポートしてもらえます。限られた予算で最大限効果を発揮するために専門会社への依頼を検討しましょう。

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