LINE広告とは
LINE広告は、LINEやLINEと提携しているアプリの画面に表示される運用型広告です。
LINE広告の特徴は2つあります。
ひとつめは、利用者数の多さと年齢層の幅広さです。LINE社の調査によると、LINEアプリ単体の日本国内のMAU(月間アクティブユーザー)は2021年3月末で8800万人以上で、日本全国の人口の約70%に相当する数にのぼっています。
ユーザーの年齢層は15歳以上から50代以上までと幅広く、居住地も日本全国に偏りなく分散しているという特徴があります。
つまり、LINEに広告を出せば、全国的に最大で人口の約70%にリーチできると考えられるのです。
ふたつめは、広告配信画面の種類の豊富さです。LINE広告が配信される主な画面について、簡単に説明しましょう。
1.スマートチャネル
スマートチャンネルはトークリストの最上部です。トークリストはLINEアプリの中でももっともよく使う画面のひとつで、多くの人の目に触れることが期待できます。大々的にプロモーションをしたいときにおすすめの画面です。
2.タイムライン
LINE公式によると、タイムライン画面のMAUは6800万人以上。このうち4900万人以上が月1回以上タイムラインを見ています。アクセスするユーザーの54.4%は女性ユーザーです。
3.LINEニュース
LINEニュースページにも広告枠があります。
LINE公式によると、LINEニュースのMAUは6800万人以上。アクセスするユーザーは好きなもの・気に入ったものには惜しまずお金を使う傾向や、インフルエンサー的傾向があるそうです。
4.LINEウォレット
LINEウォレットは、LINE PAYなどが使える画面です。
LINE公式によると、MAUは5400万人以上。ユーザー層の55.8%は女性です。
5.LINEショッピング
LINEショッピングは、LINEアプリ上で買い物ができる画面です。取り扱っている商品点数は1億点以上あり、2019年9月時点で3000万人以上の登録者がいます。
登録者の7割以上が女性で、特に20代後半から40代前半の年齢のユーザーが多いのが特徴です。比較的若い女性向けの商品の広告配信に向いている画面といえるでしょう。
6.LINEブログ
LINEブログは、アーティストやタレントなど2500組以上の公式ブロガーが利用しているブログサービスです。
ユーザー数の約66%が女性で、特に20~40代の年齢層の人が多く利用しています。こちらも比較的若い女性向けの広告に合った配信画面といえるでしょう。
7.LINE広告ネットワーク
LINE広告ネットワークは、LINEアプリ本体に加えてLINEカメラなどのLINEファミリーアプリ、クックパッドやTRILLなどのLINEサードパーティにも広告を配信できるシステムです。配信先アプリのMAUは約5,400万にものぼり、より幅広い層に向けてリーチすることができます。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式は「クリック課金」「インプレッション課金」「友達追加課金」の3種類です。それぞれの種類について説明します。
クリック課金
クリック課金は、広告がクリックされた数に応じて課金される方式です。画像広告を出稿した場合はこちらの方式で課金されます。クリック先のサイトに遷移したタイミングで課金が発生します。
クリック課金のメリットは、実際にユーザーがクリックした、つまり実際にサイトに集客できた数だけの課金で済むことです。自社広告にそもそも興味を持っていない人に対する課金は発生しないので、比較的無駄なく広告配信することができます。
ただし、クリック課金はクリック単価が高くなりがちになるというデメリットがあります。LINE広告の価格は入札形式(オークション)で決まるため、競合が多いジャンルだと低価格では落札できず、なかなか広告を配信することができません。
事前に競合や業界の相場価格を調査する、予算を決め予算以上の価格になりそうな場合は出稿を再検討するなどの対策が必要でしょう。
インプレッション課金
インプレッション課金は、広告が表示された回数に応じて課金される方式です。動画広告を出稿した場合はこちらの形式で課金されます。動画画面が100%表示されるごとに1回とカウントし、1000回表示されるごとに課金が発生します。
動画広告は、最大数のインプレッションを得られるように配信されます。そのため、インプレッション課金を選ぶとより多くのユーザーに配信できるというメリットがあります。
デメリットは、ユーザーをサイトに誘導できても、できなくても課金が発生することです。
広告のインプレッション数に加え、クリック数等、様々な指標を用いて、定期的に費用対効果をチェックするといいでしょう。
友だち追加課金
友だち追加課金は、LINE公式アカウントの友だちを集めたいときに使用するメニューの課金方式です。広告を通じて獲得したLINE公式アカウントの「友だち」数に応じて課金され、ユーザーが「友だち」追加したタイミングで課金が発生します。
この方式のメリットは、濃い見込み客を集めやすいことです。LINE公式アカウントを友だちに追加するユーザーは広告主の商材に高い興味関心があると考えられるため、実際の購入行動につながる可能性も高いです。

LINE広告の広告料金の設定方法
LINE広告の料金は入札で決まります。入札方法は手動入札と自動入札の2種類があり、それぞれ最低入札金額が決まっています。落札できるのは最高金額を入札した広告主人ですが、実際に請求が発生するのは2位の入札金額です。
それぞれの入札方法について説明します。
手動入札
手動入札は手作業で単価を入力する方法です。
手動入札のメリットは、単価を抑えやすく予算オーバーもしにくいことです。手作業で入札するので、予算をオーバーしそうになれば入札自体をやめてしまうこともできるからです。
デメリットは、その入札単価が適切な単価かがわからないことです。前述のメリットとは逆になりますが、誘導したいユーザーへ広告配信をしたくとも、手動入札の場合、その単価以上で他社が入札してしまえば配信されないため、配信できるユーザーがある程度限られてしまいます。そのため、良質ユーザーを逃してしまう可能性があると言えます。
自動入札
自動入札は設定した最高入札額をもとに機械学習を使って最適な金額での入札を自動的に行う方法です。LINEの公式はこちらの入札方法を推奨しています。
自動入札のメリットは、LINEが持つ優秀な機械学習データを使って適切なユーザーへ広告配信ができることです。購入しそうなユーザーや、興味を持つだろうユーザーをLINE側が予測し、そのユーザーに適切な入札額で広告が配信されるため、比較的費用対効果も見込めるものです。
デメリットは、機械学習が充分学習し成果が出せるようになるまで時間がかかることです。機械学習が完了するには約40コンバージョンが必要とされています。長期的に運用して成果を上げることを考えて運用すべき方法です。
LINE広告の費用感
LINE広告は比較的少額でも運用できます。入札にはそれぞれ最低出稿金額が設定されていますが、その価格はそれほど高いものではありません。
しかし、ある程度の成果を出すにはそれなりのまとまった予算を確保しておいたほうが望ましいです。最低出稿金額や予算感について説明しましょう。
少額での運用は可能
LINE広告の最低出稿金額は、課金方式や入札方式、広告キャンペーンによって異なります。以下、それぞれの金額を表にまとめました。
手動入札 | 自動入札 | |
ウェブサイトへのアクセス | 24円~/クリック200円~/1,000インプレッション | 36円~/クリック※インプレッション課金は不可 |
ウェブサイトコンバージョン | 24円~/クリック200円~/1,000インプレッション | 36円~/クリック1,200円/コンバージョン |
アプリのインストール | 24円~/クリック200円~/1,000インプレッション | 36円~/クリック100円/インストール |
アプリのエンゲージメント | 24円~/クリック200円~/1,000インプレッション | 200円~/オープン※β版機能 |
動画再生 | 200円~/1,000インプレッション | 2円~/100%再生1円~/3秒再生 |
友だち追加 | 50円~/友だち追加 | 75円~/友だち追加 |
課金の最低金額は設定されていますが、広告出稿の総金額については最低金額は設定されていません。そのため、数千円から数万円程度の予算で運用することも可能です。
とはいえ、実際の相場の金額も見てみないとわからないという人もいることでしょう。
参考までに、実際の課金額の相場はクリック課金で24~400円、インプレッション課金で400~650円、友だち追加課金は150~200円と言われています。この相場を元に実際にどれくらいの予算で運用できるか計算してみました。
- クリック課金24円で出稿した場合、1,000クリックで課金額は2万4000円
- インプレッション課金400円で出稿した場合、100,000インプレッションで課金額は4万円
- 友だち追加課金150円で出稿した場合、100人追加で課金額は1万5千円
この金額からもわかるように、LINE広告は1~2万円程度の少額でも運用することが可能です。そのため、最近は広告予算が限られている中小企業にもLINE広告を活用する企業が増えています。

最低でも30万円以上はあった方が良い
少額でも運用できるLINE広告ですが、成果を出したい場合は、できれば30万円~50万円程度の予算を用意することをおすすめします。
その理由は、広告の配信数です。
LINEのアクティブユーザーは日本の人口は70%、約8,800万人います。ユーザー全員に広告を配信するとなると、非常に多額の広告費が必要です。
一般的に、広告を配信する場合は年齢や地域などでユーザーを絞り込みます。しかしもともとのユーザー数が多いため、絞り込んだとしてもなお配信ユーザー数は多数にのぼります。当初はある程度の予算を用意し多めに配信し、運用しながらさらにユーザー数を絞り込むなどして調節していく方法がベターです。
LINE公式でも、まずは予算30万円で3ヶ月間、まずは複数の配信方法を組み合わせて広告を出稿し、その結果を見て適切な配信方法を見つけることを推奨しています。
LINE広告の運用はプロに任せたほうが良い
LINE広告を本格的に運用し成果を上げていきたい場合は、広告運用のプロに任せるべきでしょう。
その理由のひとつは、運用のノウハウの有無です。広告代理店は最適なアカウント構成や、入札単価、クリエイティブの傾向などを把握しています。そのノウハウを活用して初期設定を行うことで比較的早めに効果が期待できます。
ふたつめは、広告のアップデートの早さです。LINE広告は機能のアップデートが頻繁に行われます。そのため効果的に運用するには情報をきちんとキャッチアップし、それに応じた広告を出稿しなければ、なかなか継続した効果を期待することは難しいでしょう。
弊社LifunextでもLINE広告の運用代行を行っています。LINE広告を運用して成果を上げたい場合は、ぜひご相談ください。

新卒で大手証券会社に入社。その後、2016年にGMONIKKO株式会社に中途入社し、営業として中小企業から大手企業のマーケティングを支援。担当顧客の売上を400%以上成長させ、中途入社部門、営業全体の両方でアワードを受賞。ECやエンタメ、金融、アプリクライアントを中心に、ダイレクトレスポンス領域が得意。Lifunextでは営業部長として、デジタル全般の施策の立案~実行までを従事。